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全人代の少数民族代表、農業税の免除を歓迎

中国の温家宝首相は、今年の『政府活動報告』で農業、農村、農民の問題が依然として、政府活動の重点の中の重点だと強調した上、全国範囲での農業税免除を2年間繰り上げて実現することを承諾しました。これに対して、農村地区の代表たちは相次いで、これに歓迎の意を表し、農村建設に対する奨励だと述べています。

これについて、記者は数人の少数民族代表を取材しました。

イ族の毛蘭珍代表は、四川省石棉県安順イ族自治郷カ子坪村の農民です。毛さんは、「政府活動報告の中で、最も印象に残ったところは温首相が3年内で農業税を全部免除することだった」と語り、政府の引き続き農業、農村、農民問題を重視する姿勢を肯定しました。昨年4月、毛さんの村で農業税が免除され、これにより、一家は60元の農業税出費を節約しました。と同時に、政府から食糧植え付け補助金も受け取りました。

「金額はそれほど大きくはありませんが、その意義はもので、政府の農業、農村、農民を重視する姿勢が反映され、農民の利益を確実に考えてくれていることの現われなのです」と毛さん。

統計によりますと、13億人の中国人の中で、約8億人が農村で暮らしています。中国は長い間農業を主体とした国であったため、政府は農民に対して農業税を徴収し、農業税は中国の工業化プロセスに積極的な貢献を果たしました。しかし、現在では、総額136515億元の国民総生産の中で、農業の割合は15%にまで縮小しています。専門家によると、中国はすでに工業によって農業を補助し、都市が農村をサポートする発展段階に入ったという指摘もあります。農民の増収幅が緩慢になっていることや、食糧生産の下落などは中国が全面的に「小康社会」(いくらかゆとりのある社会)を実現し、調和の取れた発展目標を制約する際のボトルネックとなっています。

このような背景の下で、中国政府は昨年、5年以内に農業税を免除し、そのために生じた不足分は国家予算で補填すること、そして、食糧植えつけ農家に補助金として、現金を手渡す政策を制定しました。現在、全国31の省、直轄市、自治区の中で、すでにそのうち22において農業税が免除され、残りは来年までに免除が実現するとのことです。これにより、中国政府の農業税免除は2年間繰り上げて達成されることになっています。

中国西南部の貴州省では、昨年、農業税を1ポイント軽減しました。これにより農民たちに、もたらされた利益について、貴州省務川コーラオ族ミャオ族自治県からの陳世平(コーラオ族)代表は、「昨年の減税により、務川県では、全部で数十万元に達する農民の負担が軽減されました。今年、農業税が全面的に免除されれば、その金額は680万元になる見込みです」と語りました。

陳代表の紹介によりますと、務川県は総人口42万人の農業を主体とする県です。昨年の農業税軽減措置により、一人当たりの農民純収入が100元上昇しました、これは一人当たりの農民純収入が1500元未満の地元にとっては、喜ばしい上昇幅で、今年もこの良好な方向が保たれるだろうと陳代表は自信満々に話していました。

貴州省のプイ族の楊喜秀代表は六枝特区龍脚郷の副郷長です。これまで、農業税を徴収することが楊代表の仕事の一つでした。農業税の免除に対し、楊代表は、「農業税を徴収することは私たちのような農村の幹部にとって、最も頭を悩ます仕事でした。しかし、農業税の免除政策が発表された後、幹部と農家の関係がずいぶん和やかになりました。以前は、農業の収入が低かったため、田畑を植えるよりも出稼ぎに行く人が多かったのです。今は、食糧を植え付ける農家は税金を払わなくでよいだけでなく、補助金までもらえるので、田畑の請負を心配しなくても済んだ」と語りました。

楊代表は、「農民の農業税交付は千年以上継続した昔からの制度でした。農業税の免除は、農民の経済的負担だけでなく、農民の心理的負担も大いに軽減しました」と付け加えました。

中国政府が昨年、農村、農業、農民に対して支出した額は2626億元にのぼり、前年比22.5%増となっています。29の省、直轄市、自治区で食糧を植えつける農家に対し、112億元に上る補助金を納付し、6億人の農民がそのメリットを享受しました。これらの政策により、2004年、中国の農民純収入は実質レベルで6.8%上昇し、2930元に達しました。これは1997年以来、農民の所得増加がもっとも速い一年でもあります。

一方、昨年、都市部住民の一人当たり可処分所得は実質7.7%の伸び幅になり、農民の一人当たり純収入は都市部住民の三分の一に止まっています。中国の都市部と農村部の発展格差とその背景としての農業、農村、農民問題は依然と中国の経済発展で解決が待たれてる問題です。

楊代表が取材でも語ったように、「農業、農村、農民問題は、短期間で解決できる問題ではありません。しかし、国家の長期にわたる扶助政策と各地の自らの努力により、これらの問題はきっと徐々に解決されると確信されている」、数多くの代表たちは、農村、農業、農民問題の難しさに冷静な認識をもっています。すなわち、一方では、政府の高度な重視と関連の政策・措置、もう一方では、各地が地元の資源と地理的優位性を生かした積極的な努力が必要なことであり、この二者が結びつけば、農業、農村、農民問題はきっと確実に解決できるものだという確信を持っていると述べました。

                             「CRI」より 2005/3/8