第11次五カ年計画、戦略的重点と主要任務  温総理

国務院の温家宝総理は5日、人民大会堂で開幕した第10期全国人民代表大会(全人代)第4回会議で政府活動報告を行い、「国民の経済・社会の発展に関する第11次五カ年計画綱要」草案についての説明の中で、同計画期間(2006~10年)中の戦略的重点や主要任務など計6項目について説明した。主な内容は次の通り。

(1)社会主義新農村の建設

「三農問題」(農業、農村、農民の問題)の解決を戦略的重点と主要任務の筆頭に掲げる必要がある。各地方および各部門は、経済活動の構想や重要なポイントで、大きな転換が必須になる。より多くの建設資金を「三農」関連分野に投入し、公共サービスではより広範囲の農村をカバーし、社会全体で農村の発展を力強く支えていく必要がある。

(2)経済の構造調整と成長モデル転換の推進加速

工業構造の改善・グレードアップ推進と、工業大国から工業強国への転換を促す必要がある。サービス業、特に情報産業、金融業、保険業、物流業、観光産業、コミュニティサービス業の発展を加速させ、サービス業の比重と水準を絶えず高めることを提案している。

資源節約型、「環境友好型」社会の整備を重視し、明確な任務と措置を打ち出し、一連の省エネ重点プロジェクト、循環型経済モデル事業、生態環境保護・環境対策重点プロジェクトなどを計画している。

(3)地域のバランスの取れた発展の促進

各地域の資源状況、環境負担能力、発展潜在力に基づき、国土を機能ごとに4つの地域(優良開発区、重点開発区、開発制限区、開発禁止区)に区分し、それぞれに異なる地域政策を実施する。同時に、積極的かつ着実に都市化を推進し、都市部のけん引作用、波及作用を発揮させる。

(4)独自開発力の着実な増強

「自主創造」「重要なポイントでの飛躍」「発展のバックアップ」「未来の牽引」という方針に沿って、革新型国家の建設を加速し、オリジナル創造、既存技術を組み合わせる二次的な創造、既存技術の導入と消化吸収を土台とした再創造の力を全面的に高める必要がある。独自開発力向上の最も根本となるのは、科学技術教育の発展および人材確保の加速だ。

(5)改革深化と開放拡大

社会主義市場経済体制の改善を加速し、経済成長モデルの転換や、全面的にバランスの取れた持続可能な発展の促進に有利な体制・システムを形成する必要がある。改革への全体的な指導とバランスのとれた全体計画を強化するために、経済体制改革を推進すると同時に、政治体制改革、文化体制改革、社会管理体制改革を引き続き推進する。国内発展と対外開放の全体のバランスを取る必要性を考え、互恵に基づく開放戦略を実施すことで、開放によって改革と発展を促進する。開放拡大に当たっては、国の経済の安全保障を重視する。

(6)調和社会の建設への努力

人口に関する事業を適切に進め、雇用を増やし、社会保障システムを整え、国民の生活・健康水準を絶えず向上させ、公共の安全システム整備を強化し、社会主義民主政治の整備や文化整備を強化し、社会管理体制を改善する。

「人民網日本語版」2006年3月6日


 
 

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