いくらかゆとりのある社会に向けて前進した5年間


 過去の5年間は、いくらかゆとりのある社会にむけて歩み出した5年間である。収入の増加、市場の繁栄、生活レベルの向上、整備されつつある社会保障システム、これらの事実は、いくらかゆとりのある社会の発展を如実に物語っている。

 過去の5年間において、わが国の経済は急速かつ健全な成長を遂げており、人々の収入も増えつづけている。2002年において都市部住民の一人あたりの平均可処分所得は7000元以上に達し、農村部では2500元に達した。住民の預金残高も1998年の5.5万億元から2002年の8.7万億元まで増えた。

 豊富に出回る商品も市場の繁栄を示している。1998年に供給が需要を上回った商品の割合は三分の一で、2002年には88%までに上昇した。住民の消費もグレードアップしつつあり、クーラー、パソコン、携帯電話の購入ブームに続き、マイカーとマイホームの消費も新たなホットスポットとなっている。観光ブームも盛り上がり、2002年の国慶節(建国記念日)のゴールデンウィークには18269万の人々が観光に出かけ、観光面での支出は1998年の1倍となった。

 エンゲル係数から見ると、2002年における都市部住民のエンゲル係数はすでに40%以下、農村部では50%以下となった。これらのデータは、中国人の生活レベルの向上をよく示している。

 過去の5年間における社会保障システムの整備も著しい進展を遂げている。政府は再就職の促進に力を入れ、関連の優遇措置を次々と打ち出している。5年来、1800万人の一時帰休者が再就職できるようになり、都市部の登録失業率は4%以内に抑えられた。

 養老保険、失業保険、医療保険、最低生活レベル維持費などの社会保障システムも整備されつつある。2002年末までの養老保険と失業保険に加入した職員・労働者の人数は1億人を超え、医療保険に加入した職員・労働者の人数は9400万人に達し、最低生活レベル維持費を受領する人数は2000万人に達した。

 人々の生活レベルの向上は、国の正しい政策に頼っている。過去5年間に、国は内需拡大方針のもとで、積極的な財政政策と穏健な貨幣政策を実施し、アジアの金融危機と世界経済の変動のマイナスの影響を払いのけ、経済の急速な成長を促進した。水利、交通、通信、エネルギー、環境保全などのインフラ施設の整備にも力を入れ、経済の持続的な発展を保障した。西部大開発の戦略が実施され、2000年までに西部に700億元が投資され、西気東送、西電東送、青海―チベット鉄道などのプロジェクトが次々と着工した。農民の生活レベルの向上にも政府は力を入れ、農民の負担の軽減を仕事の重点とした。

 中国共産党第16回代表大会では、全面的にいくらかゆとりのある社会の建設の目標を明確に掲げ、「経済がさらに発展し、民主制度が健全化され、科学、教育がさらに進歩し、文化がさらに繁栄し、社会がさらに協調し、生活レベルがさらに向上する」という素晴らしい将来の見取り図を描き上げた。その目標にむけて、中国はさらなる速いスピードで歩み出すことになろう。
(「チャイナネット」より)2003年3月3日