「加法」「減法」で中国農民の全面小康実現へ

 中国政府は全面小康をめざす農民助成のために、「加法」「減法」の両方面から努力している。朱鎔基・国務院総理は政府報告の中で農業と農民の収入に触れたさい、農業、農村経済構造の調整を早め、畜産業、水産養殖業、農産物加工業の発展に力を入れなければならない、と指摘し、同時に、農民負担軽減の各項目の政策・措置を真剣に実行化するべき、と提起した。

 近年来、農民増収のために中国では、農民の都会での就労ルートを広げ、在来の穀物栽培以外の新たな農業の支柱的産業を育て、農産物品種を優質化するなどの「加法」で農民の実際の増収をはかった。国家統計部門の調査では、農民の増収は主に出稼ぎによる。2002年、出稼ぎ半年以上の農民は約1.1億人、農村労働力の12.3%を占める。農民の出稼ぎによる収入は一人あたり平均438.2元で、前年比11.6%増。

 産業構造の調整により、中国農村経済の配置は単一的な穀物生産から農林牧漁の多産業と農産物加工との共同発展へと転じ、優質農産物品種の採用により農産物の品質が向上した。したがって、昨年の穀物、豚などの価格は下がったが、農業生産経営従事による農民の収入は安定を保ち、前年比0.8%増となった。

 同時に、中国政府は農民の負担軽減を高度に重視した。その内の重要措置は、農村で税費改革を進め、過去に農民から徴収した多岐にわたる税費を農業税、農業特産税等に統一した形で納めるようにしたこと。杜青・農業部部長は、目下二十の省・区で農村税費改革の地点選定テストを実施し、農民の負担軽減を通常30%以上にしている、と述べている。昨年農民一人当たり平均税費負担は78.7元%で、1997年よりも29.3元減った。

 中国各地では、この「減法」を通じて農民の増収分が真に実質的な支配自在の収入となるのを確保した。昨年の中国農村住民の一人当たり平均純収入は2476元で、同期比109元増だった。価格の要素を差し引くと、実質増加4.8%。江西省財政庁庁長の胡幼桃代表は、農民の増収を助成するには、「加法」「減法」同時におこなうが、根本的には「加法」を立派にすすめて、農業と農村の経済を全面的に発展さすこと、と語る。

             「新華網」より本社編訳2003/3/17