Sketch of BEIJING

   


チャイナ スティック
写真・文  佐渡多真子

 中国の生活の中で、楽しいと思うことが二つある。

 ひとつは、日本と同じものに出会えたとき。長い年月にわたり、中国の文化をたくさん学び入れて来た日本だから、共通の単語や、年中行事などに、「ああ、やっぱり中国と日本はつながっている国なんだなあ」と感じる。

 もうひとつは、日本との違いを見つけたとき。「わー、隣の国なのにこんなに違うのー!」と。
 特に中国の食文化には、その想像力と勇気に驚かされる。

 けれども、こわごわ食べてみると、さそりも、バッタも、卵に入ったひよこも蛇も、結構おいしいということがわかった。

 蚕だけは、口の中で動いたらどうしようかと思って、まだ食べられないけれども、自分の想像範囲を超える事柄に出会うと、世界が少し広がったような気持ちになれてうれしい。(2003年6月号より)

  note
 写真は左から、さそり、蚕のさなぎ、せみのさなぎ、バッタのフライ。一本8元。カルシウム豊富で美容にもいいということで、若い女性に人気。
 
  profile
佐渡多真子(Tamako Sado )
 1990年、フリーカメラマンとして独立し、日本の雑誌などで活躍。95〜97年、北京大学留学。その後、北京を拠点とした撮影活動を続けている。写真集に、『幸福(シンフー)?』(集英社)、『ニーハオ!ふたごのパンダ』(ポプラ社)がある。