Sketch of BEIJING

 
 


恋人たちの風景1

写真・文  佐渡多真子

 ある晴れた日曜日、頤和園で素敵なカップルに出会った。とても素朴そうな二人に魅かれ、思わず声をかけてみた。二人ははにかみながらも、初めて出会った外国朋友への儀礼のようなものからか、私の質問に一生懸命答えてくれる。

 大事なことは「自分がすべきことは、どんなに難しくても達成すること」という彼と、「ただ、真面目に生きていければそれでいいと思う」という彼女。

 写真を撮らせて欲しいと頼んでみると、ちょっと緊張した彼女をいたわるように、彼の腕がそっと彼女の肩に添えられた。

 美しいカップルだなーと、私は溜息が出る思いで、この二人の写真を撮っていた。2004年1月号より

  note
 東郊 (Dong jiao) 市場の売り子は、ほとんどが河北省、河南省などからの出稼ぎ労働者と、北京近郊の農民。
 
  profile
佐渡多真子(Tamako Sado )
 1990年、フリーカメラマンとして独立し、日本の雑誌などで活躍。95〜97年、北京大学留学。その後、北京を拠点とした撮影活動を続けている。写真集に、『幸福(シンフー)?』(集英社)、『ニーハオ!ふたごのパンダ』(ポプラ社)がある。