Sketch of BEIJING

 
 


恋人たちの風景 3

写真・文  佐渡多真子

 侯征君(25歳)と姜雪春さん(25歳)。中国の大学では、最近は通学生やキャンパス外に部屋を借りる学生が増えているが、寮生活が大部分を占める。

 二人は留学時代からの友人。学校内の宿舎に住んでいたこともあって、いつでも一緒にいるような熱々のカップルだった。

 日系の企業に就職が決まり、彼は卒業と同時に北京を離れ南京に赴任した。それからしばらく、彼女は元気がなくなってしまい、私はそんな彼女を元気づけようと、展覧館のブライダルフェアに誘った。花嫁衣裳のファッションショーを見ていると、彼女はかえって落ち込んでしまったのか、しくしくと泣き出した。私は少し戸惑い、こんな所に連れて来るんじゃなかったと後悔した。

 けれども彼女は、「彼がそばにいた時には気がつかなかったけど、一緒にいることが、ただそれだけでどんなに幸せなことかわかりました」とつぶやいた。

 今は離れ離れになってしまっているけれど、きっと将来、幸せなカップルになるなあ……と、うれしい予感がした。2004年3月号より

  profile
佐渡多真子(Tamako Sado )
 1990年、フリーカメラマンとして独立し、日本の雑誌などで活躍。95〜97年、北京大学留学。その後、北京を拠点とした撮影活動を続けている。写真集に、『幸福(シンフー)?』(集英社)、『ニーハオ!ふたごのパンダ』(ポプラ社)がある。