北京五輪いよいよ
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特集3
 
インタビュー
「北京で新記録をつくろう」

何振梁氏

 何振梁氏は、中国のスポーツの生き証人である。多年にわたり国際オリンピック委員会の仕事に携わってきた。2回の北京オリンピック招致でも、彼は重要な役割を果たした。

 国際オリンピック委員会の委員と副主席をつとめ、オリンピックを全世界へ普及するうえで優れた貢献をした。現在、70歳を超したが、依然、国際オリンピック委員会文化とオリンピック教育委員会主席、北京オリンピック組織委員会執行委員として活躍している。

 ――2008年の北京オリンピックまであと1年間ですが……

 何振梁氏(以下何氏と略す)  組織委員会の仕事は、すべて予定どおりにスムーズに進んでいます。国際オリンピック委員会による、北京の準備状況の審査は、1、2の小さな問題を除いてすべて合格しました。

 ――北京オリンピックの理念は「科技五輪」「人文五輪」「緑色五輪」ですが、それは何を意味しているのでしょうか。

 何氏 北京が打ち出した理念と、オリンピックの核心的な価値観とは一致しています。百年以上前から、オリンピックは一貫して「スポーツを通じて、身体と心がバランスよく発達した人を育成し、個人の尊厳を尊重する社会を作り、美しい平和な世界を作るために貢献する」ことを提唱してきました。"

 また、スポーツだけではこの目的を達成することはできず、社会や文化・教育と結びつかなければならないということも、オリンピックは強調してきたのです。

 ここ数年、世界的な環境の悪化につれて、人類の環境保護に対する関心が日増しに高まり、オリンピックも環境保護を大いに提唱してきました。こうして今のオリンピックは、自らの理念を支える三つの柱を形成しました。それはスポーツ、文化、環境保護です。北京オリンピックの理念はまさにここから出てきたのです。

 ――北京が初めてオリンピックの招致に立候補したとき、2票差で落選しました。2001年の2回目の招致で高い票を得ましたが、その原因はなんでしょうか。

 何氏 1993年の1回目のとき、一部の国際オリンピック委員会の委員は「シドニーはすでに3回連続で招致しているので、北京はもうすこし待ってほしい」と言いました。2回目で北京の招致が成功したあと、ある古参の委員はこう言いました。「前回は北京に投票しなかったですが、その本当の理由は、1980年代末から90年代初めにかけて発生した東ヨーロッパの社会主義国家の動揺に不安を感じ、中国でも問題が起こるのではないかと心配したからです」

 しかし、その後8年、中国の経済は急速に発展し、社会の安定はオリンピックの委員たちをびっくりさせ、中国に対する信頼感は大いに高まりました。このため、2001年の招致の最終投票で、中国は56票を獲得しました。2位に22票の差をつけたのは、オリンピックの新記録です。北京オリンピック招致の成功は、誰か1人の、あるいは北京という一都市の努力によってもたらされたものではなく、中国社会の発展や文明度の向上が、その主要な原因です。もちろん、オリンピックが、中国のような人口大国で開催されるのは、オリンピック精神の普及に大きな促進作用を果たすでしょう。

2007年4月27日、北京の人民大会堂で『何振梁と中国オリンピックの夢』(英語版)の出版記念会が開かれ、何氏(中央)は国際オリンピック委員会のロゲ主席(左)に、ロゲ氏本人の肖像の切り紙を贈った(何振梁氏提供)

 ――国際間のスポーツ事業で、中国と日本はどのように交流を深めるべきだと思いますか。

 何氏 スポーツの分野では、中日両国は素晴らしい交流の歴史があります。中国が国際オリンピック委員会における合法的な地位を回復する前に、日本の委員は「国際オリンピック委員会に、もし世界の5分の1の人口を占める中国の参加がなければ、世界的なスポーツ組織と言うことはできない」とアピールしました。当時、日本の委員たちは中国の国際オリンピック委員会加入を支持するための専門の団体をつくりました。

 2001年の招致のときは、招致を申請した大阪が先に落選したあと、日本の委員たちはすべて中国に投票しました。同様に、日本が長野冬季オリンピックを招致した際には、中国が日本を大いに助けたのです。

 そのほか、多くのスポーツの種目でも、中国と日本は、交流を通じて進歩してきました。バレーボールを例にとると、1950年代、日本には9人制のバレーボールしかありませんでしたが、中国人が6人制バレーボールのテクニックを日本人に教えました。その後、日本の大松博文監督らが中国に来て教え、中国の女子バレーボールのレベルが大いに上がりました。さらにその後、中国の女子バレーボールは日本を打ち負かしたのです。

 実は、スポーツというものは、お互いの競争と交流の中で上達し、発展するものなのです。中日両国は同じアジアに位置し、良き交流の基礎があります。だから私たちはもっと胸襟を開いて、互いに学習する精神を持ち、交流を進める必要があります。

 ――近代オリンピックはオリンピック精神の普及を重視していますが、この面で北京はどのようなことをしていますか。

 何氏 中国はオリンピック精神の教育を非常に重視しています。この面においては、中国はまさに新記録をつくりつつあります。百余年来、オリンピック精神がこれほど広範に人々の間に普及したことはかつてなかったでしょう。開催の準備をしてきたここ数年、北京オリンピック組織委員会は全国40万の小中学校に、オリンピック関連の読み物を無料で提供し、さまざまなオリンピック教育イベントを展開しています。青少年の時期から「同じ世界、同じ夢」という理念を教えているのです。

 ――北京オリンピックはどのような特色を持つものになるのでしょうか。

 何氏 近代オリンピックの発祥地はギリシアであり、これはギリシア文明が世界に対して大きく貢献したものの一つです。百年あまりの発展の過程で、オリンピックは絶えず世界の各種の文明の優秀な成果を取り入れ、国際交流の独特な舞台となって来ました。

 中国は悠久の文明を有する東洋の国であり、北京オリンピックは必ず濃厚な中華文明の特色を帯びたものになるでしょう。北京オリンピックのロゴやマスコット、聖火リレーのトーチのデザインは、いずれも東洋文化の要素を持ち、聖火リレーのコースも新しいシルクロードの意味を含んでいます。

 北京オリンピックが開催される時には、世界の百以上の国と地域からさまざまな民族、さまざまな人種の人たちが一堂に会します。それはまさに東西の文化がお互いに交流する時です。そのとき、全世界の人々は、必ず北京や中国に対して新しい認識を持つに違いありません。(2007年8月号より)




 
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