堯 舜を訪ねる
この彩色画は『二十四孝』の物語から取られている。古代五帝の一人の舜は、小さいころから孝行息子。父親はまじめで情の厚い農夫だったが、母親は家計が苦しいために、夫に対して小言ばかり言っていた。舜には象という弟がいたが、この弟も父親に対して傲慢で、敬うことをしなかった。ただ舜だけが父母に従い、よく弟の面倒をみて、その誤った心根を変えたのである。
こうした比類のない孝心に天帝がいたく感激し、舜が山すその畑を耕すときには神象がこれを助けた。また草を刈るときには神鳥がこれを手伝った。時の帝王・堯が舜の孝行ぶりを噂に聞いて、訪ねていった。9人の側近をつかわして、舜の親を世話したばかりか、娘の娥皇と女英の2人を舜のところに嫁がせた。こうしていくつかの試練を経たのちに、堯はついに帝位を舜に与えたのである。
「堯 舜を訪ねる」の彩色画は、頤和園長廊の中ほど、排雲殿の東側の梁にある。(2005年2月号より)
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