山西省の省都・太原に、晋祠という古刹があります。観光地としても有名で、初めて太原に行っても晋祠を見なければ、北京に来て故宮を見ないのと同じぐらい残念なこと、といわれるほどのところです。泉と建築、そして聖母像が晋祠の゛三大絶品゛と言われるものです。中でも写真の「魚沼飛梁」は中国最古の十字橋で、こうした橋は中国でも珍しくて、非常に貴重なものです。
古人は円形の水たまりを池、方形を沼と呼んで区別していました。ここは方形なので、沼。そして、沼にたくさん魚がいるので、「魚沼」と呼ばれたのです。
橋はちょうど十字形になっています。東西の長さは19.6メートル、幅は5メートル。両端はそれぞれ献殿、聖母殿につながっています。南北の長さは19.5メートル、幅は3.3メートル。橋には漢白玉石の欄干があります。南北の方向から眺めると、鳥の二つの翼のように見え、いまにも飛び立つかにようなので、「飛梁」という名があるのです。
建造されたのは、北宋の天聖元年(1023)。長い時間を経たので腐食がひどく、1953年に大規模な修理が行われ、いまの美しい姿となりました。(文・史和平)
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