(4)「苦労は嫌だが、平凡も嫌」 理性的、多元的な職業選択が青少年の自己実現に有益である
場面
7月6日、中国鉱業大学の本年度卒業生である陳嘉陵さんは、バオトウにむかう列車にのり、当地の炭鉱企業に就職する準備にあたっていた。3月前は、北京の某研究機構から「合格通知」を受けとっていた彼だが、幾度も比較した結果、陳さんは最後に北京を放棄し、バオトウに向かった。
「バオトウを選んだのは、待遇が高く、発展の潜在力が大きいからです」と陳さんは記者に告げる。「北京の研究機構は待遇が低く、社会養老保険、医療保険などの“三険一金”を会社が支払ってくれるとはいえ、編制はできず、北京戸籍も解決できません。バオトウの会社では、試用期間の給料さえ、5000元を超え、“三険一金”も全部支払いがあり、戸籍については自分で選択できます。もっとも肝心なのは、職種と専門がふさわしいことであり、応用類学科の学生としては学んだことを生かせ、自己の価値を実現できたことになります」
記者が、「大学生の職探しは簡単ですか?」と尋ねると、陳さんは、「それは各人の能力だけでなく、態度をみなくては」と答える。多くの同級生は彼と同じく就職できている。「安逸を選ぶものは、徐州かまたは故郷に戻って就職しています。困難を恐れない者は、各鉱山区にいって仕事をし、仕事の条件は苦しいものとはいえ、すぐに発展できるでしょう。就職にあたり、一番ダメなのは、苦労はしたくないが、平凡な職場でおとなしくしているは嫌、というタイプで、同級生のうち仕事が決まらないのは、多くはこれが原因です」
専門家の分析
青年たちは、一級レベルの都市を選ぶべきだろうか?それとも二級、三級レベル?任教授は、青年たちは、「北上広からの逃避」であれ、「北上広への奔流」であれ、都市と環境および自分自身の発展に関する理性的な選択の基礎の上であるべき、とする。
陳さんの選択は、現代の青年の職業選択にあたっての理性と多元化を示している、と任教授はみる。これまでの、「千軍万馬が一本の丸木橋を渡る」、一級ランクの都市に一心に向かう職業選択観は、動き始め、発展のチャンス、収入レベル、社会福利などが青年の職業選択の総合的考慮の要素となっている。理性化、多元化の職業選択観が青年たちの自己実現に利している。創業のスターである馬雲は、一級レベルの都市上海での発展に固執することなく、二級レベルの都市、杭州を創業と発展の地点として選び、それは自身の発展に関する理性的判断である。
任教授は、情報化、グローバル化が日増しに推進される過程において、都市間の競争は日増しに高まっており、それは異なる地区の青年の成長にあたり、さらに公平な発展の環境を創造している。行くか、残るかの決定は、すべて青年たちの理性的な思考ののちの選択であり、尊重されるべきで、都市も彼らの決定を尊重しなくてはならない。地方からの移民に対し、都市は排他的規則を定めるベきでなく、出て行く人間に対しても、出て行くに際しての障害をもうけるべきでない。「北上広から逃避する」であれ「北上広への奔流」「北上広の堅持」であれ、すべて都市間の人材の流動に有益であり、人材の合理的分布に有益である。
人民中国インターネット版 2010年8月9日
|