現在位置: 社会
共同購入――爆発的成長のネット・ビジネス

 

■サイト案内サイトが人気に

こうした状況のなかで、ますます多くの企業や個人が共同購入サイトの経営に参入してきている。2010年末現在、中国の共同購入サイトは1500近くを数える。

サイト同士の競争も白熱化しており、提供される商品も七割引、八割引が珍しくない状況だ。こうした超大型割引がネットユーザーの消費意欲を刺激し、共同購入はさらに熱を帯びてきている。そして、共同購入サイト数の増加はもう一つのサイトの隆盛を呼び起こしている、それが「共同購入サイトの案内サイト」だ。

現在、共同購入サイトは同質化が深刻で、経営手法もよく似ているため、「折学系」のような小さなサイトでは売上拡大が大きな問題となっている。

北京で行われた家具・インテリア・建材博覧会及びブランド住宅インテリア無料相談会。内容は豊富で、デザイン館、家具館、建材館、インテリア館、共同購入エリアの5大展示エリアに、多くの人が参観と共同購入に訪れた

「案内サイトへの掲載費用は高額で、『団八〇〇』のような案内サイトでは毎日600~1000元かかりますが、私たちの一カ月の利潤は1、2万元に過ぎません」と喬さんは言う。

「競争が激しいので、手数料は6~10%しか取れません。グルーポンの50%には遠く及ばないのです」  売上を伸ばすため、喬さんは別の手立てを考えた。もともと一定の顧客を持つウェブサイトと協力し、このウェブサイトのホームページの下に共同購入サイトを開設したのだ。先方がすでに持っている顧客資源やブランド力などの恩恵を受け、喬さんは共同購入サイトの開設、取引先との折衝、顧客サービスといったビジネス運用に責任を持つ。喬さんはこの方法を通して、自らのサイトが成長のスピードを加速することを望んでいる。

■業者は販売促進を期待

中国の有名なレストランチェーン「俏江南グループ」は昨年6月に、各支店長の意見を聞き取った上で「共同購入」の専門ウェブサイトと提携することを決めた。インターネットを通じての販売促進は今後のビジネス業界の必然的な流れで、同社CEOの魏蔚さんはこの方式を各支店で試せばいいではないかと考えたのだ。  共同購入サイトにとって、こうした有名店との提携は経営面で極めてメリットが大きい。ウェブサイトの知名度を高める一方、販売量を引き上げることもできる。また、店側がブランド価値を保つため製品やサービスの品質には力を入れていて、販売後のトラブルも少ない。

いくつかの共同購入サイトと二カ月間提携した後、「俏江南」は提携削減を打ち出した。頻繁な割引はブランドイメージを損なう恐れがあるからだ。「俏江南」から見れば、共同購入を通じて新しい顧客に店の味を堪能させるのは宣伝に役立ついい方法だが、すぐにもうかる手段にはならない。

多くの住宅購入者は各共同購入サイトを通じていっしょに部屋を見たり買ったりする。これは「捜房ネット」が組織した5000人のグループが上海で内見する様子

しかし、知名度の低い小さな店にとっては、共同購入は優れたアピール方法であるだけでなく、売上を伸ばす良好な手段でもある。こうした店は知名度も低いし顧客も少ないため、何もしないより共同購入サイトで割引販売する方が、知名度も上がり宣伝コストも抑えられる。また、共同購入サイトとの提携に要するコストが低いため、経営面でのリスクがほとんどなく、多少の利益さえ期待できる。ビジネス競争の激しい北京や上海では、経営者は喜んで自社の製品やサービスを安く提供することに同意する。  良好な消費体験を提供すれば、常連客が増え、いい評判をもたらす。これも多くの経営者が共同購入サイトと提携している理由だ。

 

   <<   1   2   3   >>  

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850