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子どもたちの夏の空手道

 

文と写真=高原

 

練習中の子どもたち 

 

最近、北京は蒸し暑く雨も多いため、夏休み中の子どもたちはアウトドア活動ができず、多くの子どもが体育館に行って運動している。この日、北京市牡丹園にある極真会場海淀支部では、数名の子どもたちの空手の授業が始まっていた。

雨が降ったので、この日、授業を受けにやって来た子どもは6人しかおらず、男の子が5人で、女の子が1人だった。先生の指導のもと、彼らはまず基本動作の練習を行い、その後、サポーターなどつけて、ミット蹴りを練習した。動作はまだぎこちないものの、みんなやる気満々だった。

 

 女性の先生から特別指導を受けている今日来たたった1人の女の子

きちんと並んで、先生のミットを蹴る練習をする 

子どもたちに動作をして見せる先生 

 

先生によると、この道場にはまだ幼稚園の子どもがたくさんいて、最年少はわずか3歳だという。ある子どもは来たばかりの頃、幼稚園一のわんぱく坊主で、威張り散らしていた。しばらく空手の訓練を受けると、かえって、幼稚園の仲間と喧嘩をしなくなった。自分は訓練を受けているから、普通の子とはもう喧嘩しないよと言ったそうだ。

 

力を惜しまず練習している大人の身長の半分しかない子ども 

練習の合間に、ちょっと休止して、子どものズボンの紐を締め直してあげる先生 

 

道場で指導している辺寧先生は空手を始めてすでに10年で、現在は黒帯初段だ。普段は子どもクラスを担当しているが、時には大人クラスの授業も担当する。彼は自分が空手を習った経験を振り返り、以前の彼はあのわんぱく坊主のように、怒りっぽい性格だったが、空手を習い始めてからはずいぶんと落ち着いて、道場でエネルギーを使い果たして、ふだんの生活上では穏やかに人と接するようになったという。現在彼は、昼間は清華大学で働くコンピュータエンジニア、夜は空手の先生で、こうした役柄の切り替えが彼の人生をより豊かにしているという。

 

先生はクラスの中で最年長の子どもに、「僕たちは身長と体重がほぼ同じなので、練習試合をしましょう」と言った

「先生、疲れたので、休んでもいいですか?」 

力を使い果たしてしまった子ども 

 

中国では、空手道、剣道など日本の武道が、以前に流行したテコンドーに取って代わりつつあり、若者や子ども達に歓迎される武術となっている。テコンドーが比較的純粋な競技スポーツなのに対し、空手や剣道は精神修行という側面がより強い。日本武道の達人の多くがテコンドーから転じている。体を鍛えた上に、さらに精神力を高めるニーズがあることが、ここからも伺える。

現在、中国で活動中の空手道団体の中でも、極真会は最も活動範囲が広く、人数も最多の組織だ。伝統的な空手と比べると、現代ボクシングの要素が取り入れられている極真空手は、若者の興味を引き付けやすいからだろう。

 

人民中国インターネット版2017年8月29日

 

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