平昌冬季五輪閉会式「北京の8分」支える中国の科学技術力

2018-02-27 11:17:55

 

 

超大型で軽量で、着たままでもスケートができるパンダの着ぐるみ、自動的に動きを制御することができるスマートロボット、防寒用のグラフェンスマート発熱衣料品など、25日夜に開かれた平昌冬季五輪の閉会式では数多くの最先端のハイテク技術が「北京の8分」で華やかに披露され、最高の演出効果を生み出した。中国新聞社が伝えた。

「北京の8分」のプログラムで最も印象的だったのは2頭の愛らしいパンダの着ぐるみではないだろうか。この超大型着ぐるみはパフォーマンスも行うため、その重さは15キロ以下にしなければならなかった。そこで製作チームはさまざまな材料を試み、100回以上のテストを重ねた結果、最終的にアルミ合金チューブとカーボンファイバーを組み合わせ、LED照明を取り付けることに決めた。

さらにさまざまな環境下での使用に対応させるため、製作チームは加工技術の調整と改良を続けた。最終版となったパンダの人形は、高さ2メートル35センチにも関わらず、その重さはわずか10キロほどとなり、試作品を大幅に下回った。

 

 

また「北京の8分」では、24枚の大型ディスプレイが、新時代の中国の美しいイメージを表現し、見所の一つとなった。このほぼ透明なディスプレイは「氷屏」と名付けられ、中国が自主開発した革新的なデザインとなっている。透明画像の表示を実現し、よりフレキシブルな効果を生む。すでに国内外で多くの発明特許を取得している。

「氷屏」の開発チーム責任者である黄慶生氏によると、チームは今回の演出に向け技術の難関突破に取り組み、加工技術の改良とアップグレードを同時に実現。「長さ3メートルにもなるディスプレイには横梁が一切なく、このような技術は世界初となる」と黄慶生氏。

「氷屏」を搭載し、華麗な動きを見せた24台のスマートロボットは、ローラーブレードで移動するダンサーたちと素晴らしいコラボを見せ、平昌から2022年の北京への「タイムスリップ」をしてみせた。この中国次世代スマートロボットは初めて国際的な舞台で、難易度の高いダンスの動きを披露した。自動で自らの動きの順序を決め、ダンサーや地面に投影された画像と連動するように動き、技術分野のアップグレードと革新を実現した。

 

 

「北京の8分」は、平昌現地時間午後918分に披露され、会場の気温は、氷点下3度まで下がった。ダンサーの防寒を徹底するため、チームはグラフェンスマート発熱衣料品を使用し、ダンサーの美しい動きを保ちながらも寒さに凍えることが無いよう工夫を凝らした。

グラフェンは新型ナノ材料で、強度と熱伝導性が高く、業界では「新材料の王」と呼ばれている。中国の科学研究者はその特性を利用し、超薄型透明のグラフェン電熱フィルター技術を開発し、スマート設備製造に用い、特許保護を申請した。科学研究チームはパフォーマンスを成功させるため、氷点下20度の環境下で、実際に人が着用して行う実験を実施。発熱効果は理想的で、材料の安全性やバッテリーの継続時間、衣料品としての快適度にも十分に配慮した。

チームの説明によると、パフォーマンスの練習においては北京理工大学と北京電影学院による「OpenGLパフォーマンスサポート訓練システム」と「『北京の8分』文化パフォーマンス予行練習システム」が、監督の「目」や「指揮棒」の役割を果たした。この2つのシステムは監督のアイデアに基づき、文化パフォーマンスの全過程をシミュレートできる。可視化された画面や図、動画などにより、ダンサーの動きの軌跡や位置情報、陣形の変化、運動速度などを示すことを可能としている。監督はこれによりパフォーマンスの内容を把握し、改善することで、練習の効率を大幅に高めることを実現した。

 

「人民網日本語版」2018226

 

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