生で見た国慶の盛典

 

10月1日の10時ちょうど、祝典は正式に開始された。ドン、ドンと鳴り響く礼砲の中、国旗護衛隊が歩調をとってやって来て、彼らのさっそうとした雄姿に、観客は歓声をあげた。続く閲兵式では、観客席からは拍手と賛嘆の声、カメラのシャッター音が絶えることがなく、広場に鳴り響く勇壮な吹奏楽と相まって、強大な祖国、勇ましい人民軍に心からの礼賛を捧げた。

 

 習主席が高らかに「偉大な中華人民共和国、万歳! 偉大な中国共産党、万歳! 偉大な中国人民、万歳」と叫んだ時、拍手がピークに達した。東風—41弾道ミサイルの方陣が天安門前で披露された時、驚嘆の声がピークに達した。戦闘機が広場の上に7色のスモークを描き出した時、シャッターを切る音がピークに達した。

長安街からわずか5メートルのところに設置された観客席に座りながら、私はその閲兵式の迫力に深く心を揺さぶられていた。祖国の日増しに強大となる防衛力を見、兵士たちの鋼鉄のような精神力を感じ、中国の平和を守ろうという決意と実力を見て、心の底から誇りが湧きあがって来て、暖かなものが私の血を熱くし、興奮させられた。

 

盛大な閲兵式は見る者の心を沸き立たせ、素晴らしいパレードが観客の愛国心を高めた。一つひとつのパレードチーム、一台一台の山車が、新中国成立70年の壮大な過程を再現した。そのテーマに合わせ、広場では人々におなじみの古典的なメロディーが演奏された。新中国創業期の『東方紅』『社会主义好(社会主義は素晴らしい)』、改革開放期の『春天的故事(春の物語)』『在希望的田野上(希望の野原にて)』『走进新时代(新時代へ)』、そして北京オリンピックのテーマ曲『北京欢迎你(北京はあなたを歓迎します)』。誰もがこらえ切れずに、この耳になじんだメロディーにあわせて手に持った紅旗を振り、声を上げてともに歌った。祝典が行われている天安門広場では、3万余りの観客が心の中で、共に母なる祖国の70歳の誕生日を祝う歌を歌ったのだ。

 

 最後の山車である「祖国万歳」が出場してくると、『我和我的祖国(私と私の祖国)』の感情のこもった歌声とともに、白いハトと色とりどりの風船が広場から空に向かって放たれ、熱烈な祝賀ムードはクライマックスに達した。観客は歓声を上げ、飛び跳ね、両腕を振り回し、「祖国万歳!」「祖国よ、愛しています」と絶叫し、感動のあまり涙を流す人も少なくなかった。祝典が終わった後、立ち去る人々は口ぐちに、「感動的だった」「今までにない素晴らしい式典だった」「思わず涙が出たよ」などと言い、その余韻に浸っていた。

 祝典の熱いムードは、人々の心の底から湧きあがる真摯な愛国の心を、永遠に中国人の記憶の中に刻み込んだのだ。(文=王朝陽)

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