7年間貧困扶助の最前線で

李家祺=文

 1980年生まれの李朝陽さんは、もともと安徽省の政府機関に勤務していた。2014年秋、安徽省池州市石台県河口村に派遣され、党総支部第一書記および村に駐在する貧困扶助チームのリーダーを務めることになった。

 安徽省南部の山間部にある河口村は、交通が不便で、山地が多くて耕地が少なく、産業が立ち遅れていた。

 村の立ち遅れたインフラをいち早く整備するために、李さんは数年間、十数足の靴がすり減って駄目になるほどあちこち駆け回った。調査・測量を手配し、プロジェクトを申請し、約2000万元の資金を調達した。それによって、道路や橋、防波堤を修築し、水道を布設し、ブロードバンド・サービスの全域カバーを実現した。

 続いて、李さんは村民を率いて協力組合を設立し、貧困世帯がキノコや茶を栽培し、コウギュウ(黄牛)を飼育するのを支援した。最初はキノコの販売ルートがなかったため、李さんと村の幹部たちは、販路開拓のため順番に周辺地域の市場を駆け回った。朝3時、キノコの入ったかごを数個持ち、現地の野菜市場まで運び、卸売業者に売りさばく。その後、上海のある飲食企業と関係ができ、村の農産物は上海市場への進出に成功し、安定した販路を確保できるようになった。

 また、李さんのバックアップの下、河口村は講座を開き、村民のために農業専門家を招いて実用技術の訓練を行ったり、また農民企業家を招いて起業体験談を語ってもらったりした。

 実は、李さんにとって、村に駐在し貧困扶助を行うのはこれが初めてではない。12年に政府機関から選抜され、安徽省淮南市楊鎮村に派遣され、第一書記を務めたことがあった。2年後、楊鎮村は貧困から脱却し、李さんの任期も終わった。村民たちが涙を流しながら自分を見送る姿は、省都に戻った後も、李さんの脳裏からなかなか離れなかった。引き続き貧困脱却のために何かしなければと考えた。「長期間職場にいなければ、昇進のチャンスを失ってしまうよ」と友人に忠告されたが、李さんはためらうことなく自ら志願して河口村に向かった。

 1710月、李さんの2回目の村駐在の任期が終了し、河口村の貧困率は14年の2587%から16年の1・74%まで下がった。141あった貧困世帯のうち、131世帯が貧困から抜け出したものの、残りの10世帯が気に掛かった李さんは、引き続き河口村に駐在して仕事をしたいと申し出た。

 今年、李さんの貧困脱却・難関攻略の最前線での奮闘は7年目に入った。

 中国の貧困脱却・難関攻略戦が12年に全面的にスタートして以来、農村地域では合わせて8239万人が貧困から脱却した。18年、貧困地域にある農村部住民の一人当たり可処分所得は1万371元で、物価変動の影響を除くと、年平均の実質成長率は10%だった。これら成果の背後には、李さんのような農村駐在幹部の多大な努力がある。彼らは汗と誠意で貧困地域の人々に幸せな笑顔をもたらしたのだ。

 

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