実務的協力を推進 新時代の中日関係を迎える

 

中国の国家主席が現地時間27日夜、大阪で日本の首相と会談した。双方は10点の共通認識に達し、かつ新時代の需要に合致する中日関係の構築に共に取り組むことを確認した。

同じく東アジアにある世界2・3位の経済大国の首脳は、国際的な舞台において実務的で効果的で、積極的に責任を担う力を発揮することで、世界経済の健全かつ安定的な発展を推進しようと取り組んでいる。G20という枠組みは現在の世界経済の新たな特徴を反映しており、中日関係の新たな構造を浮き彫りにしている。

中国のGDPは2010年に日本を上回り、中日経済関係の構造変化を促した。中日関係は市場への依存を超越し、生産能力及びサプライチェーンへの依存の特徴を示した。1995−2018年に渡り、日本の中国からの輸入額は5.6倍増加したが、米国からの輸入額は27%増に留まった。また中国からの輸入額は2018年に19兆円に達したが、米国からは9兆円のみだった。日本の「中国製造」サプライチェーンへの依存度は、米国をはるかに上回る。

その一方で、米国は戦後常に日本にとって最大の輸出先だった。2009年に米国で金融危機が発生すると、中国は米国を抜き日本にとって最大の輸出先になった。こうして見ると、米国の保護貿易主義の圧力を受け、日本企業が産業構造を調整し産業チェーンを再構築しようとしているが、中日間の巨大な貿易額は地域分業体制を切り離すことができないことを示している。中日経済は中国の改革開放40年の歴史的な蓄積に根ざしており、米国の指揮棒に従うのは困難だ。

世界は現在、技術革新と新産業形成の新時代を迎えている。中日関係は両国の製造業が「大」から「強」に変わる共通のチャンスを迎えている。第4次産業革命の波は中日を時代の最前線に押し進める。産業チェーンのネットワーク化・デジタル化・スマート化アップグレード版を共同建設し、一体化した市場により「世界技術基準」を共に構築する。

中国の「一帯一路」イニシアチブは実践されてから5年以上になり、一帯一路国際協力サミットフォーラムは徐々に新たな共通認識を形成している。中日という2つの特大経済国の共同発展の「スピルオーバー効果」は、沿線のインフラ整備と基礎市場の形成に内的動力を提供した。中日が「競争から協調へ」と変わり、企業が競争の中で協力を模索する。これは新時代の中日関係の実務的発展の新たな特徴になる。

国際協調と協力が順風満帆であったことはない。新時代の中日関係は大国関係の新たな変化にも適応しなければならず、基礎がしっかりしており信頼できる政治の備えが必要だ。中日の指導者は2014年より、両国関係改善の「4つの原則的共通認識」に達し、新時代の中日関係の基調を示した。2018年に中日は指導者の相互訪問を実現し、二国間関係が正しい軌道に戻った。現在の国際情勢は変化が激しく、多国間自由貿易の秩序、さらには戦後の国際レジームが蹂躙されている。中日の指導者は国際的な舞台で政策を合わせ、率先して新時代の大国関係の範を垂れている。

平和的に台頭する中国、中国が主導し構築する周辺大国関係(特に新時代の中日関係)は、大国の責任を果たし、世界平和を守り、共同発展を促進する時代の模範と呼べる。(筆者・劉軍紅 中国現代国際関係研究院研究員)

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年6月29日

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