積極的に新たなチャンス生む

突然起こった新型コロナウイルスの感染拡大は多くの企業に大なり小なり影響を与えた。逆境に直面し、ますます多くの企業が科学技術イノベーションによって、自身の発展の突破口を見つけることに努力し、ピンチの中で新たなチャンスをつくることを通して、より質の高い発展を実現した。

安徽省蕪湖にある悠派(U­–PLAY)ケア用品科学技術股份有限公司(悠派社)は、大人用紙おむつとペット用トイレシートを生産している企業だ。自社ブランドを持っており、その販売量は中国と米国において上位にある。感染拡大後、同社の董事長兼総経理である程崗氏は、すぐに武漢の多数の病院に自社の大人用紙おむつを寄贈しただけでなく、積極的に海外からマスクを調達して同地の医療機関に寄付した。

しかし、程氏は物資調達に頼るだけでは問題を根本的に解決することはできないとすぐに気が付き、何度も考えた結果、会社をマスク生産にモデルチェンジすることを決めた。「モデルチェンジにはリスクがあり、苦労して長年経営してきた成果や会社の安定の根本が動揺するかもしれないことはよく分かっていました。でも、企業は社会に報いる責任感を持たなければなりません」

全社員の努力と蕪湖市政府の支援の下、同社はモデルチェンジに成功し、蕪湖市の感染予防のニーズを満足させただけでなく、安徽省や江蘇省、上海市なども支援し、パキスタンにもマスク20万枚を寄付した。今では、同社は国内の高水準の医療用マスク生産企業になっただけでなく、自社のマスクブランド「Unifree」も打ち出している。このマスクは月間販売量が1億枚を超え、そのうち4000万枚近くが日本に輸出されており、「Unifree」の好調な売れ行きにより、昨年、同社の業績は前年比2倍となった。「安徽自貿区蕪湖エリアは越境ECサービスをコア産業の一つとしており、当社に非常に有利な条件をつくってくれたと言えます。目下、私たちは越境ECの販売ルート開拓に努力しており、時代のチャンスを十分に利用し、優位性を集中させて会社を大きく強くしていきます」と程氏は語った。

積極的なモデルチェンジやアップグレードのほか、多くの企業が自身の優位性を十分に発揮し、感染対策期間中に発展の機先を制した。安徽省蚌埠にある中科大禹科学技術有限公司は低温プラズマ技術の応用を専門とするハイテク企業で、多くのプラズマ関連のコア特許技術を持ち、産業化実現に成功し、空気殺菌消毒分野への応用を確立している。「感染症は私たちのような創業間もない若い企業にとって確かに試練です。しかし、ピンチとチャンスは共存しているもので、私たちがすべきことは、自身の優位性を発揮し、ピンチの中でチャンスを見つけることです」と同社の汪嶸董事長は言う。

汪氏の紹介によると、多くの機関の研究により、プラズマは30秒以内に新型コロナウイルスを不活化できることが証明されている。感染症の予防・抑制のニーズを満足させるため、同社は製品開発を加速させ、昨年5月からプラズマ空気清浄機を次々と打ち出し、現在、一部の病院や学校、安徽自貿区蚌埠エリア企業誘致センターなどがすでに使用している。「感染症により多くの企業が変革の加速を迫られました。当社もそのうちの一つで、私たちのイノベーション力が向上し、研究開発成果の実用化も進みました。この感染症を経て、私たちが質の高い発展にまい進していく歩みはより確かなものになるでしょう」 

人民中国インターネット版 20213

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850