スマート生活かなえる「新インフラ」

 

 

 

昨年の全国「両会」(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)において、「新型インフラ整備(新インフラ)」(9)が初めて政府活動報告に盛り込まれた。技術イノベーションを駆動力とし、情報ネットワークを基礎として、質の高い発展のニーズに向けて、デジタル化モデルチェンジ、スマート化によるグレードアップ、融合イノベーションなどのサービスを提供する「新インフラ」が中国の未来の経済成長をけん引する重責を担うこととなった。

昨年5月、安徽省は中国初の新インフラ製品サービスリストを発表し、正確な目標と実務的な措置により、生産と生活の各方面が「新インフラ」という特急列車に乗った形となった。

安徽省合肥にある科大スマート科学技術股份有限公司(科大スマート科学技術社)は、スマート製造、スマート物流、スマート電気、新エネルギー応用分野をカバーするハイテク企業で、同社が自社開発した電力設備におけるモノのインターネット(IoT)や、コネクテッドカーシステム関連技術プランが安徽省の新インフラ製品サービスリストに選ばれた。「目下、電力と軌道交通分野のスマートシステムを研究開発する国内の企業はまだ比較的少なく、私たちは軌道交通運営維持システムを開発した最初の会社として、この分野の空白を埋めたと言えます。『新インフラ』と自貿区の設立は会社の発展にチャンスをもたらしました。これを契機として、より時代のニーズに合致した、より競争力のある製品を打ち出し、人々の日増しに高まる素晴らしい生活のニーズを満足させたいと願っています」と同社傘下の科大スマート電気産業グループの張吉勇総経理は述べた。

科大スマート科学技術社が研究開発したロボットを利用すれば、作業スタッフは高圧電流の危険から遠ざかることができるだけでなく、十数人のスタッフが必要だった地下鉄の検査作業を1、2人で終わらせることができる。人手を節約できるだけでなく、都市生活をよりスマートにすることもできるのだ。

「新インフラ」の先駆者として、中国の5Gネットワーク建設は高速成長を遂げた。中国の工業・情報化部が発表したデータによると、昨年、中国では58万カ所の5G基地局が増設され、世界最大規模の5Gネットワークがすでに構築されている。今年、5Gネットワーク建設は引き続き推進され、60万カ所以上の5G基地局が新たに建設される予定だ。

RFフィルターはモバイル通信基地局の鍵となる部品だが、コア技術を持っていなかったため、国内基地局のRFフィルターはかつて輸入に頼っていた。だが、大富(TATFOOK)科学技術(安徽)股份有限公司(大富科学技術社)が高い自主イノベーション力により、この形勢を一挙に逆転させた。現在、大富科学技術社は世界最大のRFフィルター製造メーカーになっただけでなく、世界で唯一、5Gの金属製フィルターとセラミックフィルターの複線生産を実現し、全生産段階をつなげた企業になった。

大富科学技術社の生産現場には、フィルターのスマート組立ラインが3本あり、量産化、標準化、自動化が非常に進んでいる。同社の研究により、フィルターの体積はますます小さくなり、コストはますます低くなり、「オーダーメイド」から「量産」への転換が実現し、5G基地局の高密度の設置が可能になった。「5G産業発展の最前線では、人より一歩早く進んでこそ、発展の機先を制することができるのです。大富には成熟した技術があり、高い自主イノベーション力もあり、私たちは5G時代に対して自信を持っています」と同社の賀高標副総裁は言う。「当社は世界四大モバイル通信機器メーカーに製品を提供しており、感染対策期間中も、しっかりとした予防を前提として生産を続けていました。当社は深圳から安徽省蚌埠に移転してきました。自貿区の設立後、ここにより大きな発展のチャンスがあるだろうと思ったからです。今後は、自社をしっかりと発展させると同時に、より多くの企業と協力して5Gエコ産業パークをつくり、産業チェーンを形成し、中国の5G産業がより高い発展レベルにまい進するように助力していきます」

 

人民中国インターネット版 20213

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