今後は国内市場により密着

淀川盛餘社の生産現場に入ると、壁にある緑の指示看板が非常に目立っていた。それは作業員が歩いたり、曲がり角を曲がったりするときに上と前、左、右の四つの方向から状況を確認するよう注意喚起するためのものだ。灰色の作業服を着ている作業員たちはすれ違うたびに、必ず「安全第一」と互いに声を掛ける。

「鉄鋼の森」の中を行くと、周囲は活気に満ちていた。生産ラインの各プロセスを通して出来上がった鋼板は、テンションリールで巻き取られ、丸いコイルになって、天井クレーンによって製品ヤードに運搬され、整然と並べられ、包装と出荷を待つ。感染拡大の収束後、企業は製品の質と生産の安全を確保する前提で、生産目標に向けて全力を挙げた。

「昨年9月から年末まで、当社の単月販売量は記録を更新し続けました」と淀川盛餘社の田中董事長は語った。上半期は比較的大きな打撃を受けたが、同社の年間売上と販売量はそれぞれ19年の140%と150%に達した。

恩斯克社の製品のうち、輸出はもともと25%を占めていたが、世界的な感染拡大の影響を受け、昨年上半期の輸出額は前年同期比で40%も減少した。「しかし、私たちは中国の国内市場に頼ってその損失分を取り戻しました。通年で見れば、ダメージはそれほど大きくなかったです」と井上総経理は言う。

感染拡大の収束後の速い経済回復によって、日系企業はさらに中国市場にしっかりと根を下ろす信念を固めたようだ。

「感染拡大以前、当社の原材料は約30%が輸入に頼っていました」と鬼怒川橡塑社の山中総経理は言う。感染拡大以降、同社は多くの原材料や設備、金型を中国国内で調達製造する方向に舵を切り、満足できる効果を収めたという。「今後も中国国内での調達を拡大し、22年に100%の現地化を実現する計画です。また、蕪湖市に研究開発センターを設けることも検討しています」

恩斯克社は現在、26の生産ラインを持っているが、さらに10本を増設し、生産規模を拡大しようと計画している。「中国は新エネルギー車や5G、AIなどの分野の発展が目覚しいです。私たちも時代の流れに順応し、これらの分野で当社の新たな成長が見込まれる業務を展開していきたいです」と井上総経理。

昨年、MEGP社の生産量と売り上げは前年より10%以上増えた。同社は今年、さらに20%の成長を実現することを計画している。「私たちの製品が中国の省エネ環境保護事業に貢献できればと思っています」と同社の吉田総経理は意気込みを語った。

 

人民中国インターネット版 20213

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850