煮えたぎる熱海の大鍋

 ゴーゴーと噴出する熱湯と蒸気。あたり一面に漂う湯煙と硫黄のにおい。まるで日本の温泉地のようだ。ところがここは、西に数十㌔行けばもうミャンマーという、雲南省西部の町・騰衝の温泉群だ。

 雲南省の省都・昆明から西へ約600㌔。騰衝市は、国境の町であるとともに、温泉で有名な町として中国でよく知られる。だが、その温泉地の名称は意外と知られていない。実は筆者もその一人だった。

 この騰衝の「熱海」温泉地区は標高1300㍍前後の山間にある。中国十大温泉・三大地熱地区の一つで、5A(最高)クラスの景勝地でもある。約9平方㌔の広さを誇る同地区内には、硫黄泉やラドン泉、炭酸泉など十数種類88カ所の温泉群がある。源泉の温度は90度以上。関節痛やリューマチ、皮膚病などに効果があるという。その中でも代表的なのが「熱海大滾鍋」(煮えたぎる熱湯鍋)だ。

 「熱海大滾鍋」は、さまざまな色や形の温泉を楽しみながら遊歩道を15分ほど進んだ先にあった。長径5㍍ほどの楕円型の温泉池はグツグツと煮えたぎり、約95度の熱湯からもうもうとした湯煙が立ち上る。水色の池の周りは写真を撮る旅行客が絶えない。ここまで歩いて来た遊歩道沿いには、特徴ある温泉場が点在する。それぞれが、その形状や効能などから「カエルの口」や「獅子の頭」「美肌の湯」などと名付けられている。


美しい水色の温泉に思わず入ってみたくなるが、湯温は100℃近くある


日本の熱海を上回るような迫力が魅力

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