この固東鎮には、季節限定ともいうべき人気観光スポットがある。「銀杏村」だ。
文字通り、村内の至る所に数千本のイチョウが林立する。その多くが数百年の樹齢を誇り、中には樹齢1000年以上というイチョウの大木もある。秋ともなると一帯のイチョウはもちろん、小道の隅々まで積もった落ち葉で、まさに村は上も下も黄金色に染まる。
雲南は冬も気候が比較的温暖なため、北京などと比べると秋が長い。ここでは9月末から12月中まで、少しずつ村全体が黄金色に変化していく情景をたっぷり楽しめる。
ピーク時の週末ともなると、省内外からやって来た家族連れなどで村は大にぎわいだ。中でも人気は、「農家楽」と呼ばれる農村民宿(兼レストラン)での食事。青空の下、イチョウの木が黄金色に輝く中庭で、地元特産のキノコなどを使った素朴な雲南料理に舌鼓を打つ。そのそばからハラハラとイチョウの葉が舞い落ちる。思わず箸が止まり、しばし心は桃源郷に遊ぶ――そんな感じにとらわれるかもしれない。
秋には村全体がイチョウの黄金色に染まる(写真提供・騰衝市党委員会宣伝部)
民宿の中庭でイチョウを見ながら食事を楽しめる