板橋鎮の茶館

 隆陽区の古い板橋鎮(県に属する行政単位)と金鶏鎮は、南のシルクロードにおける物資の集散地だった。唐代に作られた「茶馬古道」と同様、隊商は南のシルクロードでも重要な輸送手段だった。馬の背に茶葉や絹織物などを載せた隊商が、西南の辺境を往来し、途中の村々は宿場町として栄えた。板橋鎮はそんな町の一つだ。

 通り沿いにある一軒の古い茶館に腰を下ろし、1杯2元の茶をすする――ご近所さんたちにとっては、普段の過ごし方だ。お茶代だけで、ひと月の収入は600~700元。わずかなものだが、茶館の女主人・万文鳳さん(62)はそれでも十分楽しい。今では、この茶館は隆陽区の無形文化遺産となっていて、その評判を聞いて遠くからやって来る客も少なくない。「1杯10元でも高くないと言う人もいるけど、ご近所さんが来なくなるかもしれないし」とはにかむ万文鳳さん。値段はずっと2元に据え置いたまま。顔なじみたちが毎日やって来ては、気軽におしゃべりを楽しんでほしい――そう願っている。古ぼけた店内に陽の光が差し、温かな茶が心を温めてくれた。


にぎわう板橋鎮の市(写真提供・保山市党委員会宣伝部)

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