「コーヒー書記」が富裕指南

 百花嶺から車で南に約1時間。潞江鎮にある新寨村に着いた。ここの山の斜面は一面緑のコーヒーの果樹だ。熟れた赤やまだ若い緑が混じるコーヒーの実は、サクランボよりちょっと小さめ。ちょっと揺すっただけで枝から落ちそうだ。

 潞江鎮は雲南コーヒーの一大生産地だ。当地は緯度が低く海抜1000㍍前後で、雨量もたっぷりあり日照条件も良く、コーヒーの栽培にはぴったりの自然条件だ。だが、栽培に適しているからといって収穫が多いとは限らない。ここのコーヒー農家は、長年それぞれのやり方で栽培していて市場への対応能力が弱かった。コーヒー豆の市況に農家が踊らされ、豆の相場が良い時はコーヒーの木を植え、相場が悪くなると他の作物に植え換える――それを繰り返してきた。

 そんな人たちが12年、当時村の外で建築の請負仕事をしていた王加維氏を村の書記に迎えた。そして、コーヒー栽培で村を発展させる「道案内」を探し当てた。その頃、王氏は年収50万元余りを稼いでいたが、書記になったら収入は一年5万元足らず。「みんなが豊かになれるのなら、自分の稼ぎが少ないなんてどうでもよい」。王書記のリードで大規模化した経営はすぐに結果を出した。現在、コーヒー農園は村全体に広まり、コーヒー文化ウイークも始めた。王書記は「コーヒー観光」を推進しており、新寨村は日々豊かになりつつある。


この日の収穫も一段落。農園で働く女性もコーヒーカップを手におしゃべりを楽しむ

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