環境保護で活躍する「保山人」 レンズで追った高黎貢山の20年

 

 

雲南省南西部の保山市にある高黎貢山は、中国南西部の生態環境を守るバリアであり、世界の生物の多様性を守る最も重要な地域の一つでもあり、「世界の生物種の遺伝子バンク」と称賛されている。

高黎貢山の生態環境を守るために、雲南省政府は1983年、高黎貢山省レベル自然保護区の設立を承認した。その後、多くの地元の人々が高黎貢山の自然保護活動に身を投じ、自らを「保山人(高黎貢山を保護する人)」と呼んだ。

雲南省高黎貢山国家レベル自然保護区の保山管理保護局騰沖支局の畢争支局長は、その保山人の一人だ。

保山市騰沖で生まれた畢さんは、2001年から高黎貢山で自然保護の仕事を始めた。幼い頃から山を出ることを夢見ていたが、大人になるとためらわず山に残ることを選んだ。以来20年余り、高黎貢山の自然保護活動に力を尽してきた。

「山を越え川を渡り、風に吹かれ露に濡れながら野宿し、野人のような生活をする。これが私たちの仕事の普段の様子です」と畢さん。環境が厳しいが、彼はこの仕事が好きで、保護区内の特殊な生物種の研究に打ち込み、長年山を渡り歩き狭い実験室で暮らしている。

「高黎貢山で記録された鳥類は525種で、私は20年かけてこのうち310種を撮り、チョウも1100種類以上撮りました。この数字は高黎貢山の生物の多様性を裏付けるとともに、自然保護事業の成果も示しています」と畢さんは誇らしげに話した。

畢さんにとって最も印象に残っているのは、初めて撮った高黎貢山の写真だ。「山の頂上に真っ白な雪、中腹は緑の森林、麓は黄色い菜の花でした」。その時から、畢さんはレンズを通して高黎貢山を認識し、大自然を認識するようになった。畢さんにとって一番誇らしく思うのは、高黎貢山の生物種保護において多くの成果を上げ、この10年間に騰沖管理保護区内で発見された新しい生物種は500種以上に達したことだ。

現在、清き水と緑の山は着実に利益をもたらす「金山」や「銀山」に変わっている。現地の村民たちも、高黎貢山全体の優位性である自然資源を生かした農村観光に取り組み、暮らしは日増しに豊かになりつつある。また、ますます多くの村民も高黎貢山の生態環境を守るチームに加わるようになっている。

 

人民中国インターネット版 2021518

 

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