第16回「北京-東京フォーラム」が閉幕

16回「北京-東京フォーラム」は121日、2日間の議論を終えて閉幕した。同フォーラムには、中日両国の政治や経済、外交、安全保障、メディア、デジタル技術、公衆衛生などの分野のパネリストが参加。「コロナ後に目指すべき世界秩序と中日両国の役割」のテーマを巡って率直に交流、突っ込んだ討論を展開し、中日両国が新型コロナ下のグローバルな変動に共同で対処し、新時代の中日関係の新たな枠組みを切り開くために、貴重な知恵を提供し、幅広いコンセンサスに達した。

閉幕式前の全体会議では、孔鉉佑駐日中国大使があいさつし、次のように述べた。中日関係は、最も緊密な利益の融合と、最も深い協力の基礎を持つ二国間関係の一つとして、新型コロナの下であるべき活力を示してきた。双方が引き続き中日の「四つの政治文書」の諸原則と精神にのっとり、両国の平和と友好関係と協力ウインウインの大きな方向を把握し、さまざまな分野での対話と意思疎通を積極的に進め、政治的な相互信頼を絶えず高め、デリケートな問題を適切に管理し、互恵協力を深め、人と文化の交流を拡大しさえすれば、新時代に入った中日関係は必ず絶え間ない新たな発展を遂げるし、また感染症が世界に与えた衝撃を克服するために、より積極的なエネルギーをもたらすだろう。

日本の垂秀夫駐中国大使はビデオ形式により、以下のようにあいさつした。日中両国の交流の歴史には、互いに見守り助け合った感動的な物語がたくさんある。今後も日中双方のより多くの人々が深い交流を繰り広げ、より多くの両国国民の心と心をつなぐ素晴らしい美談を書き続け、健全で安定した日中関係の構築に彩りを添えるよう希望する。

閉幕式を前に、中国社会科学院日本研究所の呉懐中副所長と日本の言論NPOの工藤泰志代表の共同主宰で、程永華前駐日中国大使と商務部(省に相当)の魏建国元副部長、科技日報社の房漢廷副社長、宮本雄二元駐中国日本大使、日本銀行の山口広秀元副総裁、NTTデータの岩本敏男相談役が参加して、まとめの全体会議(パネルディスカッション)が開かれた。

程永華氏は、フォーラム参加者の共通認識として、東アジアの国々が新型コロナの予防抑制の面で比較的良い結果を得ていることについて触れ、これは東アジアの文化の独特な強みを反映しているだけでなく、東アジア各国が互いに助け合い、団結して困難を克服するという誠実な気持ちを表している、と述べた。

また宮本雄二氏は次のように述べた。双方のパネリストが討論で共通認識に達したのは、日中は手を携えて国際秩序を守り、グローバルな高みに立ち、人類が直面する共通の問題について解決案を出さねばならないということだ。

呉懐中副所長は、中日は安全保障の分野でも共通利益を求めることで、地域全体をカバーする安全保障メカニズムを確立し、各種の脅威に共同対応する必要があると指摘した。

山口氏は次のように考えた。日中間には、感染症の予防抑制や環境保護、デジタル経済などを巡る多くの協力のチャンスがあり、双方は相互理解を深め、早急に動き出す必要がある。日中が連携して取り組んでいけば、必ずアジアひいては世界の発展を促進できる。

魏建国氏は次のように指摘した。ポストコロナに中日の経済貿易協力は新たなターニングポイントを迎える。それは双方としても大きな需要があるからだ。中国の開放の扉はいつまでも開いており、隣国として、日本と中国の協力は多分野にわたり多層的で多チャンネルであるはずだ。双方の企業家はより活発に交流討論し、共に素晴らしい未来を切り開くべきだ。

岩本氏は次のように示した。デジタル技術は人々に利益をもたらすと同時に、乱用されるリスクもある。中国と共にデジタル化の発展におけるルールを確立し、デジタル技術がより人類に幸せをもたらすことを望んでいる。

房漢廷副社長は次のように考えた。中日の間には、ある程度の読み誤りや判断ミス、誤解がある。デジタル技術は情報共有の利便性をもたらす一方で、「繭(まゆ)」のような情報の束縛も紡ぎ出した。両国のメディアには、両国民が等身大の相手を知り、両国の相互信頼の関係が一刻も早く改善するようにサポートする責任がある。

双方のパネリストは総括の対話において、各分野で達したコンセンサスと建設的な協力案を紹介し、新たな時代における中日関係の発展の希望を感じさせた。

その後、言論NPOの工藤代表は「第16回『北京-東京フォーラム』コンセンサス」を読み上げた。時代の精神と責任感にあふれたこのコンセンサスは、パネリストたちの知恵を結集した重要な成果であり、また新時代の中日関係への心からの期待でもある。

閉幕式の最後に、中国外文局の高岸明副局長がフォーラムの中国側主催者を代表し、同局では引き続き日本側主催者の言論NPOと努力し、中日両国の有識者が対話するプラットフォームをより良いものに作り上げていくことを表明した。さらに、感染症が終息して春の暖かさが訪れ、中日の皆さんがまた一堂に会し、再び健全な中日関係の長期的な安定と発展のために提言、献策を行い、力を尽くされることを願ってやまないと期待を述べた。

2日間という短い会期ではあったが、第16回「北京-東京フォーラム」は大きな成果を挙げて幕を閉じた。

 

人民中国インターネット版 2020122

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