青華海の湖畔に立つ「永子棋院」は、当地のランドマーク的な風景となっている。筆者が保山空港に着いて飛行機のタラップを降りた時、「永子甲天下」(永昌の碁石は天下一)と空港ビルに大きく書かれた五文字に気付いた。保山に初めて来た人は、まずこの「永子」に興味津々となるだろう。
永子とは、昔は永昌と呼ばれた保山から産出した赤メノウや黄龍玉、ヒスイなどの鉱石を原料とする、伝統的な手作り碁石のことだ。白い碁石は卵白の如く、黒い碁石はカラスの羽の如し。手に取ると温かくしっとりとし、すべすべしてきめ細かく、まるで上質の玉のようで、まさしく「天下一」の名にたがわない。