新たな生命力と活力を放つ

 中国の歴史・文化の有名都市として、より多くの人々に敦煌文化の魅力を感じてもらうため、近年、敦煌市は絶え間なく方法を刷新し、敦煌に関する芸術作品を多数創作した。例えば『絲路花雨』(シルクロードの花吹雪)『大夢敦煌』などの代表的な舞踊劇は、莫高窟の生き生きとした壁画のイメージから良質な題材を選び、舞踊の形式を使って創作されたものだ。目下、『絲路花雨』はすでに40の国・地域で3000回近く上演されており、観客は延べ450万人を超えた。昨年、敦煌の舞踊劇はさらに一般大衆に近づいた。敦煌中学(高等学校)は敦煌舞を改編して、生徒の授業の合間の体操に取り入れ、そのショートムービーはネット上で話題となった。この地域の特色が強い体操は、面白いだけでなく、子どもたちが敦煌文化を伝える人になるよう導くことにもつながる。

 また、敦煌には、多くの文化伝承者がいて、自らの技術で敦煌文化を伝えている。国家レベルの無形文化遺産・敦煌彩色塑像の伝承者である杜永衛さんは、1980年代に莫高窟塑像修復作業の参加者の一人だった。現在、彼は莫高里職人村をつくり、莫高窟の技術の保護・伝承を行い、さらに敦煌彩色塑像と壁画の創作理念を、研学の方法で中国全土ひいては世界各地に伝え、敦煌芸術に対する人々の強い興味を引き起こしたいと考えている。もう一人の無形文化遺産伝承者である敦煌画家の王亜玲さんは、25年間の壁画模写と創作を通して、敦煌石粉彩色技術を伝承・刷新した。彼女は壁画の模写で現地で採集した天然鉱物を多く使い、莫高窟壁画の顔料を復元した。この顔料を使って敦煌壁画を模写しただけでなく、さらにそれを他の絵画作品にも使用して、芸術の刷新を実現した。

   

 敦煌は中国のものであり、世界のものでもある。1979年に国務院(中央政府)から第1陣の対外開放都市に認定されて以来、敦煌は国際社会と各種形式の交流活動を積極的に展開し、敦煌文化を伝え、より多くの人々に敦煌を理解してもらうよう努力してきた。94年以来、敦煌市は対外友好交流を活発に行い、前後して日本の鎌倉市、臼杵市、日光市、スウェーデンのオーモール市、韓国の南海郡、インドのアウランガーバード市などと友好都市を結び、相互訪問などを通して親睦を深めている。敦煌研究院は前後して米国、フランス、日本、カンボジア、イスラエル、インド、イランなど10カ国余りと学者の相互訪問、学術フォーラム、文化財の展示などの交流協力を広く展開し、世界に敦煌文化を広め、敦煌の物語を伝えてきた。現在、敦煌というシルクロード上の真珠は、新たな生命力と活力を絶え間なく放ち続けている。