金石園

 

 

ここは普通の公園ではない。この公園の主役は草花や樹木ではなく、一つひとつ高くそびえる黄金色の岩たちだ。これらの岩は別の場所から運ばれたわけではなく、元からここにあって大地とつながっている。これはいったいどのような岩なのだろうか? どのような不思議なところがあってここに公園を建設し、保護するようになったのだろう? これは「金石園」と呼ばれる独特の地形で、黄海に面した大連金石灘景勝地内にある。園内の岩は風化した岩石で、多くは今から6億年前の新原生代最後のエディアカラン紀頃に形成された、石英を主な成分とする岩だ。1996年、工事をしていた施工業者がこの地下に眠っていた貴重な地形を思いがけず発見した。その後、工事は停止され、慎重な発掘調査が始められたのだった。当時、奇岩の原形を壊さないために、人々は土くれを一つひとつ手でかき出し、その後刷毛を使って岩についている土を丁寧に払い落としたそうだ。 現在、私たちの前に姿を見せているのは2万4000平方の石の林で、褶曲、断層など地質構造が岩石の上にはっきりと見ることができる。2余りの高さの岩の間を行き来すると、まるで迷宮に足を踏み入れたようで、どちらに行けばいいのか分からなくなる。岩はどれも不思議な形をしており、「雛鷹出世」(鷹のヒナが生まれる)、「観音石」など名前がついたもののほか、観光客は自分の想像力を働かせ、石にさまざまな解釈を与えることもできる。雨の多い時期になると、各小さな石洞にはあるいは水が満ち、あるいは「水簾洞」となる。『西遊記』の孫悟空がやって来たら、きっとここを好きになるはず? 金石園が最も美しいのは冬だという。この季節には石の周囲の植物はみな枯れてしまい、緑がなく、黄金色の石がきらきらと輝き、空と大地の間に純粋な美を見せる。

人民中国インターネット版 201959

 

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