漁家民宿ステイが大盛況

 

 

朝9時、張さん一家3人は大連金石灘から長海県広鹿島行きの客船に乗船していた。友人の勧めで、彼らは大連から約30カイリ離れた島で週末を過ごす計画なのだ。1時間余りの「船旅」を経て、一行は広鹿島の港に着いた。下船した彼らを迎えてくれたのは「軍嫂(軍人の奥さんの意味)旅店」の主人姜福全さんだ。

広鹿島の観光開発はますます盛んになっている。今では、島には100以上の「漁業版ファームステイ」ができる漁家民宿がある。ここ数年、島での遊びを楽しむというレジャースタイルが、中国都市住民の熱い支持を集めている。夏になると、北の海に浮かぶ島々は格好の避暑地となる。各地から訪れた観光客は、昼間は海水浴や日光浴を楽しみ、遊び疲れたら海鮮料理や農家の家庭料理を味わい、夜には民宿でそよ吹く海風の心地よさを感じる。

7、8月は島観光のハイシーズンで、広鹿島の漁家民宿は満員のことが多く、1カ月前から予約が必要だ。漁家民宿の多くは家族経営で、料金もリーズナブル。1泊食事つきで160元ほどで、船着場までの送り迎えもしてくれる。最も魅力的なのは、その日上がったばかりの新鮮な海の幸が味わえることだ。

そうした漁家民宿の中で軍嫂旅店は客室七つと規模は大きくないものの高い人気を誇る。姜さんは退役軍人で、兄の支援を受けこの民宿をオープンさせた。1998年、島の漁家民宿はほんのわずかで、やってみようかという程度の姿勢で、彼はこの新興業界に参入したのだった。当初、人々の消費に対する考え方や経済的条件の制限から、島にやって来る観光客は少なく、商売はさっぱりだった。やがて、島の観光資源開発や人々の消費観念の変化、離島旅行の人気の高まりから、民宿の商売は日に日に盛んになり、2004年に大きな転換期を迎えると、08年以後は急速な発展段階に入ったのだった。

毎年7月下旬からが、軍嫂旅店は1年でも商売が最も繁盛する時期となる。最も忙しい時には夫婦のほかに手伝いを1人雇っている。訪れる観光客は東北3省からの人が中心で、リピーターになる人も多い。好調な経営の秘訣について質問すると、姜さんは「何もないですよ、ただ誠実にまじめにやっているだけです」とちょっとはにかんだような笑顔を浮かべた。

漁家民宿の経営は以前と比べてより紀律あるものになってきた。姜さんによれば、今政府は彼らに対して毎年3度の研修を行っており、食品衛生、防火管理、サービス標準などについて指導し、不定期に民宿を訪れて検査も行っているという。彼は、政府の監督はより厳しくなったが、これは良いことで、自ら絶えず改善するのを激励し、観光客の安全な滞在と食の安全を確保していると語っている。

人民中国インターネット版 201959

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