3つの「温もり」を持つ氷墩墩 冬季五輪マスコットデザイン総責任者が語る

 「2022年北京冬季五輪マスコットの氷墩墩(ビン・ドゥンドゥン)がこれほど人気になるとは思わなかった。最近多くの友人から、氷墩墩はまだ余っているかと聞かれる。彼らが購入した氷墩墩にサインを頼まれることもある」。北京2022年冬季五輪マスコットデザイン総責任者、広州美術学院視覚芸術設計学院副院長の劉平雲准教授は、中国網記者の独占取材で感慨深く語った。

 親善大使」の氷墩墩、3つの「温もり」 

 2019年9月17日に正式にお披露目されると、氷墩墩は各界から注目を浴びた。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は、氷墩墩は中華文化の真髄と特色を示しており、北京2022年冬季五輪の「親善大使」になるだろうと述べた。

 劉氏は、氷墩墩が世界的な共鳴を引き起こしたのは、3つの「温もり」を持っているためとの見方を示した。まず、氷糖葫芦の飴の部分を原型とした氷の結晶の外殻は、甘い温もりを象徴している。次に、カラフルなアイスリボンは視覚的に、伝統的なパンダの単一的な黒と白の効果を打破し、色彩の温もりをもたらした。それから、氷墩墩の手のひらのハートは平和と希望を意味しており、中国が世界に届ける平和の希望があふれる温もりだ。

 スピードスケート・ショートトラック中国代表が5日夜、北京冬季五輪中国代表団の初の金メダルを獲得した。表彰台に立つ選手だけに贈られる限定版の氷墩墩は再び、全人民による氷墩墩購入のブームを巻き起こした。劉氏によると、この限定版の花輪の発想は、中国の「歳寒三友」から得られたという。歳寒三友に含まれる奥深い中国文化が、冬季五輪が提唱する精神と合致するからだ。「冬季五輪組織委員会は最終的に、松竹梅という3つの元素を花輪に同時に融合させることで、選手の強靭さ、粘り強さ、溢れ出る生命力を象徴することを決定した」

チームの協力で氷墩墩が誕生 

 劉氏は氷墩墩よりも前に、マスコットの創作に何度も参加していた。例えば2010年アジア競技大会(広州で開催)に向け創作したマスコット「吉祥三宝」はトップ10に入選し、2019年には広州アジア美食節のマスコット「亜美」をデザインした。劉氏は、「これまでの創作はすべて自分一人で手掛けたが、北京冬季五輪のマスコットは広州美術学院の14人の教員及び学生が曹雪教授に率いられ、数え切れないほど手直しをしたことによる成果だ。これは集団の知恵の結晶だ。チームの協力は、北京冬季五輪のより速く、より高く、より強く、共にというモットーを示した」と述べた。

劉氏によると、2018年10月の結成当初、チームは19日間で16点の作品をデザインした。うち3点は世界36カ国の5816点の応募作品の中からトップ10に入選した。その中には劉氏の「氷糖葫芦」のアイデア、つまり氷墩墩の原型があった。このデザインのインスピレーションは、劉氏の幼い頃の記憶から得られた。「私は江西省新余市の出身で、幼い頃の北方のイメージは氷と雪の世界、それから氷糖葫芦だった」。その後、北京冬季五輪組織委員会の提案を受け、中国のイメージをより良く表現するため、チームは氷糖葫芦を外国人の間で知名度の高いパンダに変更し、氷糖葫芦の外側を残した。こうして氷糖葫芦が「氷糖パンダ」に生まれ変わった。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年2月8日

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