乾燥血液スポット検査、中国が関わった五輪のアンチドーピング新技術

 北京冬季五輪が無事閉会した。極めて高いポテンシャルを持つ新型ドーピング検査手段「乾燥血液スポット(DBS)」も五輪に正式に登場した。この技術は便利で経済的など複数の優位性により、誕生すると直ちに注目を集めた。中国は技術と機器の研究開発の全過程に参加しており、そして真っ先に正式に使用した国になった。新華社が伝えた。

 この新技術は、選手のごく少量の末梢血を試験紙に置き、違法物質の有無を調べることで、病院の指先採血に似ている。従来の血液検査と比べると、選手の傷が極めて小さく、検体を輸送・保存しやすく、検体の安定性をより良く保てる。便利で経済的という大きなメリットを持ち、アンチドーピング業界関係者から大きく期待されている。

 中国アンチドーピングセンターの陳志宇センター長によると、DBSは革新的で革命的な検査方法だ。昨年の東京五輪に向けた準備の際、中国は400件以上のDBS検査を行った。その後の全国運動会は、世界で初めて正式にDBS技術が使用された総合的大型競技だ。北京冬季五輪の準備期間中には、300件以上のDBS検査が行われた。

 陳氏は、「中国アンチドーピングセンターは同技術の発起機関の1つで、2019年より国際オリンピック委員会(IOC)、世界ドーピング防止機構(WADA)、国際独立検査機関(ITA)などと協力し、プロジェクト規則・方法の研究、特にDBSドーピング検査機器の研究開発に全面的に参加した。これは中国がアンチドーピング分野で初めて全面的に参加したイノベーションプロジェクトだ。同技術が真っ先に中国で使用されることを保証するように、当センターは規則の策定、検査要求、検査技術、機器研究開発などの作業に加わった」と述べた。

 研究開発チームのメンバーの一人である温洪濤氏によると、DBS検査機器には、検体の定量採取と改ざん防止装置という2つの大きな難点がある。そのために、同センターは中国のDBSプロジェクトチームを特別に立ち上げ、わずか1ヶ月で第1世代機器を研究開発した。そしてこれを東京五輪と北京冬季五輪中国代表のドーピング監視と陝西省の全国運動会に用いた。

 「これは中国代表団が、東京五輪と北京冬季五輪に正々堂々と出場することを実現する上で、非常に大きな現実的意義があった」と温氏。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年2月24日

 

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