時速350キロの北京冬季五輪自動運転列車に使用される画期的な技術とは?

  新型五輪版スマート高速列車「復興号」が6日、京張高速鉄道(北京-張家口)清河駅に登場した。空気力学に基づいた流線形車両には、風に舞う雪とウィンタースポーツ選手のシルエットがデザインされている。これらの要素はいずれも冬季五輪と関連している。中国新聞網が伝えた。

■時速350キロの自動運転列車

  国鉄集団工電部通信信号処の莫志松主管によると、ATO自動運転システムの恩恵にあずかり、京張高速鉄道は世界で初めて時速350キロメートルの自動運転を実現した。駅での自動発車、区間自動運行、駅での自動停車、ドア自動コントロールなどの機能を持つ。運行開始以来、停車の精度と定時運行率がいずれも100%となっている。

 

  自動運転システムは運行状態を感知できるだけでなく、最良の制御曲線を計算し、省エネ・排出削減も実現できる。莫氏は、「運転士による運転と比べると、張家口から北京までのエネルギー消費を7%削減できる。しかも省エネ制御アルゴリズムが持続的に最適化され、機能更新の余地が残されている。我々の目標は10-15%の省エネ効果だ。これは北京冬季五輪のグリーン五輪、テクノロジー五輪の理念と非常に合致する」と述べた。

■軽量化し効率アップ、年間の節電効果は180万kWh

  中車長客股份公司工程研究センターの朱彦副センター長によると、列車は寒冷地仕様の高速列車で、氷点下40℃の低温環境にも適応できるという。「低温密閉技術、氷雪防止技術、衝撃防止技術、復水処置技術、断熱保温技術などを総合的に応用している。これにより列車はコートを羽織ったようになり、低い環境温度にも適応できる」。

 「コート」を羽織ったにもかかわらず、列車の重量は大幅に軽減された。「列車全体の重量は前世代より20トンほど軽くなっている。車体には環境に優しい分解可能な材料が用いられている。材料の回収可能率は75%以上で、分解可能率は50%にのぼっている」。

 朱氏によると、スマート高速列車の先頭車両の設計においては、空気力学的性能を考慮し、最終的に40種類以上のプランの中から猛禽スタイルを採用した。空気抵抗を減らすと同時に、エネルギー消費を大幅に削減できる。「このスタイルは空気力学的な性能が最高で、空気抵抗が最も少ない。車体は全体的になめらかな流線形を採用。列車全体の運行中の抵抗力が前世代より7.9%下がっており、総合的なエネルギー消費は10%以上低下。計算によると、1年間の運行で約180万kWの電気を節約できる」と朱氏。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年1月7日

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