中米貿易摩擦は年内に決着するか

 

 

大阪で先日開かれた主要20カ国地域首脳会議(G20サミット)で、中米両国の首脳が会談を行い、経済貿易協議の再開で合意したことは、夏季ダボス会議にポジティブな空気をもたらした。しかし、「貿易戦争の沈静化」をテーマとした分科会で、中米貿易摩擦が年内に決着するかと聞かれると、6人のパネリストとほとんどの聴衆は否定的だった。

中米貿易摩擦が短期に決着しない理由について、インドネシア大学国際経済学部のマリエルカパンゲツ教授は次のように指摘した。「両国間の摩擦は、関税と(米国の)貿易赤字だけではない。背景にある問題はより深刻で、知的財産権や技術など多くの分野で両国の意見は食い違っている」。また、この問題を解決するには、柔軟な方策を講じ、すべての利益関係国を参加させなければならない、とした。

世界貿易機関(WTO)の易小準副事務局長も、多国的な国際仲裁が中米対立の解決に役立つと見ている。「WTOはルールに基づく組織で、もしメンバーが自分のビジネスチャンスが他のメンバーから脅かされたと考えるならば、WTOに訴えるべきだ」と易氏は強調した。

米国が国家の安全保障上の理由で貿易制裁を発動したことについて、米国通商代表部の代表補佐を務め、在中国米国商工会議所会長だったティモシーストラトフォード氏は次のように指摘した。「国家の安全保障と貿易政策はまったく別のことで、二つのロジックと目標はそれぞれ違う。現在の貿易交渉はこの二つを同列に論じており、状況をより複雑にするだけだ。別々に解決しなければならない」。また同氏は、「中米両国とも非常に苦しんでおり、対策を探っているはずだが、問題は簡単には解決できず、ましてすぐには解決できないだろう。中米貿易問題の解決には、おそらく3、4年かかるだろう」と予測した。(文=王朝陽)

人民中国インターネット版

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850