強大な中国が世界に貢献する

  中国の特色ある社会主義が新時代に入り、これは中国の発展の新たな歴史的位置付けである、と習近平国家主席が明確に提起したことは、世界の各方面から大いに注目された。  

  いったい新時代とは何か? 中国の新時代が世界にもたらす巨大な影響をどう認識するのか?  

  国際社会は、中国経済崩壊論や中国脅威論、中国挑戦論、中国覇権論といったでたらめな議論にずっと従っているが、これとは逆に、私の核心的な観点は以下のようなものだ。この新時代とは、中国が強国になる時代、世界の舞台の中心に入る時代、さらには人類のためにより大きな貢献を果たす時代である。  

  中国はますます強くなる。世界銀行や経済協力開発機構(OECD)、米国中央情報局(CIA)などの提供データ(購買力平価〈PPP〉、2011年ゲアリー・ケイミス国際㌦)によると、中国のGDP総額はすでに世界第2位になった。この他、中国の貨物輸出入総額、発明特許出願数、授権数などの重要な指標が米国を超え、世界の舞台の中心に突入した。このような国際的背景の下、まさに習主席が語ったように、いわゆる新時代とはつまり、中国が強国時代に入り、それと同時に人類のためにより大きな貢献を不断に果たす時代に入ることでもある。

  

  中国が発展するほど、世界が発展する。ここ5年間、中国経済の年平均成長率は7・2%に達し、世界経済の年平均成長率の3・1%を上回り、世界の経済成長への寄与率が30%を超えている。仮に中国経済の寄与率を差し引けば、16年の世界経済の成長率は3・1%から1・9%に下降し、衰退の臨界値である2・5%を下回り、深刻な衰退類型に帰することになる。  

  中国が貧困削減をするほど、世界が貧困削減できる。1人当たりの支出が1日1・9㌦以下という、世界銀行が提起した国際貧困ラインの基準によると、1981年から2013年まで、中国の貧困人口は8億8400万人から2517万人へと8億5900万人減少し、貧困発生率が88・3%から1・85%へと86・45ポイント下がった。同時期の途上国の貧困発生率は1981年の42・2%から2013年の10・7%へと下がり、そのうち、世界の貧困削減における中国の寄与率が4分の3に達した。  

  中国が革新するほど、世界が革新する。中国の研究開発への投資が世界の総量に占める比重は、10年の11・7%から15年の17・1%へと上がり、中国は世界第2位の研究開発投資国となっている。中国の住民の特許出願が世界の総量に占める比重は、10年の25・2%から15年の46・8%へと高まり、中国は数年連続で世界第1位の特許出願国となっている。16年、中国の発明特許授権数が一躍世界トップに立ち、国内の有効発明特許保有件数が110万3000件になり、中国は米国と日本に次いで百万件を突破した国となった。中国が提出した「特許協力条約(PCT)」に基づく国際出願は4万3000件で、世界第3位に躍進し、世界の総出願数の18・5%を占めている。  

  中国がグリーンであるほど、世界がグリーンになる。16年、中国の風力発電の設備容量が1億5000万に達し、10年の5・1倍になり、太陽光発電の設備容量は7742万で、10年の300倍近くに相当した。中国の水力発電、風力発電、太陽光発電の設備規模と原子力発電の建設中の規模はいずれも世界トップである。非化石エネルギー発電の設備の割合は35%に達し、新規非化石エネルギー発電の設備規模は世界の40%前後を占め、非化石エネルギーがエネルギー消費に占める割合が10年の8・3%から16年の13・3%に増えた。中国が起こしたグリーンエネルギー革命のけん引により、世界がグリーンエネルギー革命時代に突入しつつある。  

  中国が開放するほど、世界が開放する。中国は世界第1位の貨物輸出国、第2位の貨物輸入国、第2位のサービス貿易国、第2位の対外直接投資国、最大の対外工事請負国、最大の観光客出発国、最大の留学生輸出国、および120カ国・地域の最大の貿易相手国となっている。  

  中でも米国は最大の受益者だ。中米双方は互いに第1位の貿易パートナーで、中国は米国にとって第1位のサービス貿易輸出国(注1)、第1位の外国人留学生出身国、第1位の国債購入者、さらに最も重要な直接投資国であり、米国の調査会社ロジウムグループのデータによると、16年の中国の対米直接投資は456億㌦に達し、これは15年の3倍で、米国における投資の累計は1000億㌦を超えたという。13年以降、中米双方は各種ハイレベル対話協議を行い、それぞれ768項目と456項目の具体的な成果を達成した。習主席とオバマ前大統領の会談に基づいて、前後して外交・安全保障、全面的経済、法執行およびインターネットセキュリティー、社会・人文という四つのハイレベル対話が行われた。昨年11月初め、中米首脳が北京で再度会談することが世界の注目を集めた。中米は互いに最大のステークホルダーであり、中米協力は世界の利益である。逆に、中米が衝突すれば世界の災いになる。  

  5年来、中国は歴史上の従来の大国とは異なる、中国の特色ある強国の道を成功裏に進んだ。中国は開発途上国が現代化する道筋を切り開き、世界において発展の加速を願いながら自身の独立性の保持をも願う国と民族に対し、成長、貧困削減、革新、環境、安定、開放といった一連の新しい選択を提供した。これは中国による世界に対する最大の「発展理論の貢献」である。  中国の特色ある社会主義が新時代に入ったことは、近代以来、長期にわたり苦難を味わった中華民族が立ち上がり、豊かになり、強くなるという偉大な飛躍を迎えたことを意味している。早くも1956年、毛沢東主席は、21世紀になれば中国は「人類に対し比較的大きな貢献を果たすはずだ」と予言していた。今日、習主席は全世界に向かって、「世界の平和と発展のために新しい重要な貢献を果たす」と宣言した。  

  要するに、中国はこれまで今日のように強大になったことがなく、今日のように世界と利益関係を持ったことがなく、今日のように世界に対して重要な貢献を果たしたことがないのだ。私の結論はこうだ。中国が良ければ、世界がより良くなる。中国が革新すれば、世界に利益がある。中国が強大になれば、世界にはもっと利益がある。 (胡鞍鋼 清華大学国情研究院院長、清華大学公共管理学院教授、博士課程指導教授。)

 

注1 米国は中国にとって第1位のサービス貿易赤字の相手国になっている。2016年、米国とのサービス貿易は1000億㌦の大台を突破し、そのうち中国側の輸入超過が523億㌦に達した。

 

 

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