合肥名物「巣湖三鮮」

 

 巣湖は、中国で5番目に大きい淡水湖(総面積は琵琶湖の約1.2倍)として、決して見掛け倒しではない。地図上で見ると、両側がやや高く、間がへこんでいる湖の形は、昔の通貨である元宝に似ている。豊かな「湖の幸」は、まさに合肥市民へ贈られた宝物だ。20種余りある水産物のうち、最も有名なのは、「巣湖三鮮」と呼ばれる「シラウオ」「白米エビ」「巣湖上海蟹」である。

 巣湖はシラウオの名産地だ。全身が白く、つやのあるシラウオは、形は小さいが、柔らかく、タンパク質に富んでいる。白米エビは、巣湖のエビ類の中で漁獲量が最も多く、年間数千トンにも達する。巣湖上海蟹は、長江流域に生息する上海蟹の一種で、その品質は最も有名な「陽澄湖上海蟹」にも引けを取らない。1980年代には、豊富な漁獲量と、しっかりつまった身、濃厚な蟹みそで、人気を集めた。また、巣湖上海蟹は毎年9月から10月の間、合肥の人々が菊の花見を楽しむ際の定番料理でもある。

 

行商の人々が巣湖の岸辺でチョウセンエツを干している。毎年69月、漁の盛んな時期によく見られる光景だ(写真提供・安徽省巣湖市党委員会対外宣伝弁公室)

 

「巣湖三鮮」の白米エビ(左)とシラウオ

 

 巣湖のほとりに住む漁民は、湖を一周する「環巣湖大道」の西側に屋台を出し、取れたての水産物を売っていたが、それが次第に鮮魚市場となった。「ウスクチニゴイや野生のケツギョなどは、ここでしか買えないんです」と地元民の楊静さんが教えてくれた。鮮魚市場は、買い物客だけでなく、販売者からの評判も高い。合肥市肥西県厳店郷に住む鮮魚販売業者の厳文正さんも、「この市場は、車の流れや人の通りが多いですし、安全で清潔なのが何よりいいですね」とうなずいていた。