都市の最も洗練された場所を知りたければ、林立する高層ビルの陰にたたずむ旧市街の通りを見逃すわけにはいかない。最近、合肥市盧陽区撮造山巷が整備を経て蘇った。古い歴史的な通りが最先端の新しい通りに改造され、この筒子楼（長い廊下に面してたくさんの部屋が連なる集合住宅のこと）と道沿いの商店、そして古いレンガと瓦でできた路地が、今や新しい姿に生まれ変わり、旧市街の人気観光スポットとなっている。 

生まれ変わった古い通り

撮造山巷は盧陽旧市街の重要な歴史ある通りで、淮河路歩行者街の北側にあり、西は宿州路に始まり、東は北含山路までで、その歴史は長く、三国時代まで遡ることができる。

今回の整備は今までのこの地域の特色を基礎に、建築や通りの補修を行い、文化的雰囲気をさらにアップさせ、通り沿いの商店と住民の営業・生活環境の質を改善したものだ。整備された地域の面積は2246㎡で、外観整備が行われた面積は1059㎡、改造された商店は61軒を数えた。整備担当チームは、この地域の建築の外壁や店舗内部および看板、緑化舗装、外への張り出しスペースに改造を加え、インフラにおいては、雨水・汚水の分流、強弱電流の整備、そして路上標識などの再構築を行った。

整備後この地区は、今までの味わいを残しながらも、多くの新しい要素が採り入れられた。中でも手書き壁画、巻線技術、金属アートオブジェ、青銅工芸など多くのクリエイティブデザインがこの地域独特の風情を生み出している。このほか、特に目をひくのが、この界隈の店の入り口に置かれた盧陽のマスコット「太っちょ盧くん」で、このまるまるとしたかわいらしい男の子は、甲冑を身に着け、手に盾と弓を持ち、この界隈でとても愛されている「ゆるキャラ」である。

古い通りの流行最先端の店

整備されてアップグレードした撮造山巷は業態ごとに区分され、伝統文化と最先端の流行が結合し、中華風軽食やレストラン、アイデア商品・手作り品、流行のスイーツや軽食、レジャー・エンターテインメント、各種のアイデア新業態に分かれていて、賑やかな通りからしだいに落ち着いた場所に入っていくという想定スタイルが実現されている。

西から東に向かってずっと歩いていくと、通りの西側には各種の特色ある飲食店が集まっている。入口付近にある店で売っている「焼餅（シャオビン）」や「葱油餅（ツォンヨゥビン）」といった中国風軽食は焼きたてのあつあつで、サクッと香ばしく、口いっぱいに幸せが広がる。このほか、アサリの串や、火鍋などの店から辛くて香ばしい匂いがただよってきて、人々の食欲をそそる。

李府巷との交差点までたどり着き、さらに東へと行くと、至るところにユーモラスな壁画があって、目を楽しませてくれる。冬の日の午後、猫カフェに入り、香り高いコーヒーを頼んで、ぼんやりとしたり、猫をなでたりして、のんびり過ごすのもいいだろう。あるいは、仲のいい友達と一緒に通りのアパレルショップやネイルサロンなどの美容店をはしごして、より美しくなった自分に出会うのもいいだろう。このほか、盧陽区では通りの雰囲気にあった店を空いたスペースに誘致していて、各種の人気ブランドやカフェなど、ニュースタイルの消費エンターテインメントを導入しようとしている。その暁にはここにはまた別の素晴らしい風景が生まれることだろう。

ずっと歩いてみると、撮造山巷の目新しさや文化的気風に魅了される。今後、淮河路歩行者街の整備が進むにつれ、さらに多くの旧市街の古い通りが人気スポットとなり、淮河路歩行者街に新たな活力を注ぎ込むこととなるだろう。

人民中国インターネット版　2020年12月21日