第1回中国国際輸入博覧会が11月5日に上海市で開幕した。輸入をテーマとする世界初の国家レベルの本博覧会には、世界各国から3600社余りの企業が出展し、日本からはパナソニックや三菱重工など数百社が参加した。その中でも来場者の目を一際引いていたのはキヤノン(中国)有限公司だ。この度本誌は山崎学副総裁に話を伺った。
市場開放がもたらす機会
中国市場は世界の中でもキヤノンが最も注目している市場の一つだ。その理由について山崎氏は「それは現在、カメラやプリンターなどにおいて、中国が単一国の中で市場規模が最も大きいからです」と語る。
最近では中国の消費者が希望する機能などを考慮して商品を作るようにしており、中国の消費者の要求や需要は非常に広く多岐にわたっているため、出来上がった商品は中国の消費者だけではなく、世界の消費者に発信できるものに仕上がっている。そういった意味でも彼らにとって中国市場の価値は高い。
今後の中国市場に関して、山崎氏は「多様かつ大規模な消費者が存在する中国市場がより開放すると、我々メーカーやサービスを提供する企業にとって、非常にチャレンジングだがやりがいのある市場になると思います。さらに市場が開放すれば、より多様な商品を中国に持ち込み販売する機会が増えていきます」と期待を寄せた。
本博覧会に対する期待
中国の消費者にアピールする場である国際輸入博覧会に対する期待について、山崎氏は次のように述べた。「輸入博覧会が開催されるのは今年が初めてなので、我々もどういった形で展示をするのか色々と考え、思いつく限りのインテリジェント商品を一堂に展示しました。やはりこういう大規模な展示会には多くの方が来場し直接商品を見ていただけますので、商品の利用価値やキヤノンという会社が多種多様な商品を製造していると知っていただく良いきっかけになります。そしてここからコミュニケーションを開始し、商談を始めていくスタート地点になると思っています」。
中日友好ムードの中で
今年は中日平和友好条約締結40周年にあたり、10月には安倍晋三首相も中国を訪問した。広がる中日友好モードの中でのキヤノンの活躍について、山崎氏は「国の関係が良くなるのは非常にいいことだと思いますし、さらに国という意識を越えて、商品、サービス、文化などの面で、より交流が深まることを期待しています。すでに『佳能』という名前は中国の人に良く知られていると感じますし、それだけ我々も長い期間、ここで様々なコミュニケーションを展開してきました。私達の会社の理念は共生なので、どこであっても、国という意識を越えた商品や文化という視点から、より近いコミュニケーションが展開できることをいつも願って取り組んでいます」と深く頷いた。(北京週報記者 劉婷)

キヤノンの展示ブース

キヤノン(中国)有限公司の山崎学副総裁(左)

キヤノンが出展したIDカードプリンター

インテリジェント医療機器
「北京週報日本語版」2018年11月6日