中国税関総署「輸入博展示品の通関に全面的なサポート体制」

 

輸出入の通関手続きの効率化を図る「国際貿易単一窓口」に設けられた「第1回中国国際輸入博覧会(CIIE2018)」のための専用エリア。その通関手続きの速さに、関係者から「史上最速」との感嘆の声が上がっている。記者がこうした評価を聞いたのは1度や2度ばかりではない。20日ほど前のことだが、輸入博の展示物のうち最も重量のある「プラノミラー」(プレーナー形フライス盤)の手続きの際は、ATAカルネの提示から審査完了まで2分もかからなかった。

その背景には、税関総署が全面的なサポート体制を敷いていることがあげられる。税関総署は今年6月、輸入博のサポートに向けた13項目からなる便宜措置を発表した。関税の統一化による企業負担の軽減、展示物専門通路の設置による優先的な取扱いなどが盛り込まれた内容だった。

中国マクロ経済研究院対外経済所の楊長湧副研究員は、この13項目の便宜措置について、意義の大きいものだと評価。 「中でも輸入博向けの『税関通関の心得』、『検査検疫禁止リスト』と『検査検疫制限リスト』という文書は、行政法律執行におけるネガティブリストを活用した積極的な試みであり、政府の役割を向上させるのにつながるため、輸入博の検疫実施後、ここで培ったノウハウをさらに広めることが期待できる」 と述べた。

税関総署監督管理司の何暁睿副司長は、「出展企業のニーズをしっかりと把握したうえで、輸入博用にカスタマイズした一連の支援措置を講じたのは、出展企業に通関時の利便性を図るのが目的だ」とした上で、例を挙げながら次のように述べた。

ATAカルネの有効期限延長については、通常の6カ月から1年に延長できるようにしたが、展示物の国内滞留期間の延長によって、輸入博終了後も海外からの出展者が輸入した展示品を用いて中国市場を開拓すれば、出展効果をさらに上げることができる。このほかにも、輸入博の終了後に展示品を税関の特殊監督管理区域や保税地域に移動させ、展示品や保税品の取り扱い方法を改善した。多くの出展者からすれば、多少の改善でも得るところは大きいだろう。

中国国内で保税展示したり、引き続き買い手を探したりする展示品が多いため、税関の特殊監督管理区域や保税地域エリアに移動できるようにしたが、実際の「出国」手続きは不要になり、物品の性質も展示品から保税品になるため、出展企業にとっては負担コストの大幅な軽減につながるだろう。

このほか、出展する食品メーカーが市場開拓しやすいように、税関では包装済み食品への中国語ラベルの貼付を免除する規定を設けた。ただ、出展者は展示品に中国語で名称、消費期限、注意事項などを記載し、輸入博の来場者が判断しやすいようにしなければならない」。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2018115

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