迫力満点! 奇観エリア

湖南省には、世界自然遺産の張家界武陵源をはじめとして、溶岩やカルスト地形によって作られた、奇岩や鍾乳洞などの観光ポイントがあちこちにある。この婁底地区にも、雄大な自然の営みが見られる湖南湄江景勝エリア(湖南湄江国家地質公園)があり、国家4Aレベル(最高は5A)の観光地に指定されている。同エリアはさらに五つの景勝区に分かれており、それぞれ異なった特色の風景を楽しむことができる。

これらの景勝区にある滝や断崖、奇岩などには、長寿滝や観音崖、仙人橋といった中国らしい名前が付けられている。いずれも日本ではなかなかお目にかかれないダイナミックな地形ばかり。改めて自分は中国にいるのだと実感した。各景勝区は離れているので、全部を回るにはタクシーなどをチャーターした方が効率的だ。

実は湖南省にも日本人会(会員約150人)がある。2013年から2代目の事務局長を務める樫原和夫さん(59)はドライブが趣味で、自らハンドルを握って省内の各地方によく出掛けるという。婁底地区にも行ったことがあり、「張家界と同じように、湄江景勝エリアでは雄大な自然や水墨画のような素晴らしい風景が見られる」と太鼓判を押す。

ところが、辛い湖南料理については、地元で日本風カレー店を開いている樫原さんでも、「唐辛子の純粋の辛さ。実は私は苦手」と手を上げる。普段は省都の長沙に暮らす樫原さん。「湖南は自然も美しく人情も厚い土地柄。日本との直行便もあるので、ぜひ遊びに来て」と勧めた。