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孔鉉佑委員:中日関係の改善には初心を忘れないことが必要

 

王朝陽=文 王焱=写真

 

 中日関係は「両会」において一貫して皆が注目するホットな話題だ。どのように両国関係を改善し発展させ、目の前の苦境を抜け出すか? この問題について、『人民中国』の記者が全国政治協商会議委員、外交部副部長(日本の副外務大臣に相当)の孔鉉佑氏にインタビューした。

 

――長年、一貫して対日外交活動に従事し、全体的にどのような実感を持っていらっしゃいますか?

孔鉉佑(以下、孔):私は1980年代に外交活動に身を投じて以降、一貫して日本に関する仕事を行い、日本と切っても切れない縁を結びました。そのため、私は対日外交活動にとても思い入れがあり、その過程でたくさんの日本の友人ができました。90年代初め、日本青年と交流する過程で、日本の一般民衆の家庭に泊まり、日本社会の末端に深く入ることを通じて、日本の庶民と触れ合ったことを覚えています。その中の何人かとは今でも連絡を取り合い、お互いに数十年の友情を結んでいます。

 われわれは日本政府の対中政策に対して軽々しく同調できない部分が多々あり、しかも日本の民衆の対中意識も非常に多様ですが、日本社会に深く入ってみれば、実際、大多数の日本の民衆は非常に善良であることが感じられます。彼らの中の多くの人々は中国に対して非常に素朴な友好感情を抱いています。これが今後、中日関係の改善と発展の基本的な力の一つになると思います。

 

――今年は『中日平和友好条約』締結40周年です。長年、対日外交に従事してきた外交官として、今年の中日関係の改善と発展をどのように展望していらっしゃいますか?

:今年は『中日平和友好条約』締結40周年であり、中日関係の改善と発展の鍵となる年でもあります。われわれがよく言う、「不進則退(進まざればすなわち退く)」という言葉があります。われわれは、双方が中日共同で『中日平和友好条約』締結40周年を記念するという重要な契機をしっかりつかんで利用し、向かい合って歩み寄り、中日の「四つの政治文書」と「四つの原則的共通認識」を遵守するという基礎の上で、中日関係が本当に改善・発展の道を進むように推進することを希望しています。

 われわれは、少し前から安倍首相と日本政府が中日関係の改善と発展について発している積極的な情報を重視し、このような情報が引き続き出されることを希望しています。この数年、中日関係は何度も曲折を経験し、両国はこれによって大きな代償を支払い、高い学費を支払ったというべきでしょう。「失敗の中から教訓を得る」という言い方があります。両国は過去の経験と教訓をくみ取り、中日関係が引き続き前進することを維持するべきで、1歩進んで2歩後退してはいけません。

 日本はわれわれの隣国で、われわれは当然、日本と正常で協力的で友好的な国家関係を築くことを希望しています。これはわれわれが1972年に中日国交正常化実現の決心をした初志でもあると思います。ですから、現在、双方は中日国交正常化の原点に立ち返って、初心を忘れず、前進し続けなければならないのです。

 ここで非常に重要なことが二つあります。一つ目は、安倍首相と日本政府が発した中日関係改善の積極的な態度の表明が、口先だけにとどまらず、日本の現行の対中政策に反映され、具体的な行動に体現されるべきであるとわれわれが望んでいることです。二つ目は、双方が向き合って積極的に相互交流することを通じて、両国が、中日間で達成した「中日は互いに脅威とならず、互いに発展のチャンスとなる」という重要政治コンセンサスを今後の中日関係の改善と発展という大勢の中で実行できるようにしたいとわれわれが望んでいることです。中国側はすでに関連する準備を整えました。われわれは日本側に対して、言葉を聞くだけでなく行動もよく見たいと考えています。

 双方が初心を忘れず、『中日平和友好条約』の基本精神および過去の政治文書で達成した重要コンセンサスを遵守すれば、中日関係には、眼前の苦境を抜け出し、健全で安定した発展の道をあらためて歩いていける希望があると私は信じています。われわれはこのために、たゆまず努力し続けなければなりません。

 

――近ごろ日本は「一帯一路」イニシアチブに対して比較的積極的な態度を示しています。中国は日本と「一帯一路」の枠組みの下のどの分野で協力を展開できるでしょうか?

:まず、私は「一帯一路」イニシアチブが完全に開放的な協力理念であることを強調したい。習近平総書記が強調したように、われわれは「一帯一路」協力をゼロサムゲームにせず、閉鎖的・排他的な小グループにもしません。われわれは「共に話し合い、共に建設し、共に分かち合う」の原則を堅持することで、「一帯一路」の枠組みの下の互恵協力を推し進め、真に協力を通じて、中国自身の発展の恩恵がより関係国に及ぶように、より世界に及ぶようにします。日本側と「一帯一路」の枠組みの下で協力することについて、双方の協力・ウインウイン、共同発展の実現に有益であれば、われわれはいつでもオープンな態度で対応します。

 

人民中国インターネット版

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