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中国の特色ある大国外交で朝鮮半島の情勢を打開

 

 

王朝陽=文 王焱=写真

 

朝鮮半島の南北関係が{ピョンチャン}平昌冬季五輪を契機に急速に回復して以来、世界はこれが継続していけるのかどうかに一貫して注目している。韓国の文在寅大統領は3月5日に特使団を朝鮮民主主義人民共和国に派遣し、特使団は7日、軍事境界線の板門店で4月末に南北首脳会談を開催すると発表した。米国は3月8日(中国時間9日)、トランプ大統領が{キム ジョンウン}金正恩朝鮮労働党委員長の首脳会談開催の提案を受け入れると発表した。

 

トランプ米大統領も評価

米朝の指導者が間もなく会談し、中国は「切り離される」のだと論評する外国メディアがある。しかし、朝鮮半島の核問題で中国の役割は無視できない。もし米朝が2国間のルートで朝鮮半島の非核化を実現できるのなら、中国側は事態の進展を見たいと考えている。中国人民政治協商会議第13期全国委員会(全国政協)委員で、国際問題の専門家である曲星・中国駐ベルギー特命全権大使は、中国の特色ある大国外交の理念を結び付け、地域の平和と安定の維持に貢献する中国の外交の知恵を分析した。

曲星大使は中国の唱えた構想について、まず次のように説明する。「朝鮮半島の核問題解決について、中国側は『2トラック同時進行』構想を打ち出しました。すなわち『ダブル・フリーズ』を通じ、緊張した情勢を和らげるということです。朝鮮側は核・ミサイル実験を一時停止し、米韓は敵対的な軍事演習を一時停止し、それから和平メカニズムの確立を通じて恒久的な安全保障問題を解決します。これは問題の表裏をともに解決するプランだと思います。『ダブル・フリーズ』は応急処置の過程です。非常に緊張した情勢の下で、矛盾をいっそう激化させる行為をまず双方に一時停止させます。その後、緊張ムードの緩和を待った上で、関係国は目下の朝鮮半島の停戦協定を平和協定に変える問題について、さらなる検討を進めます。『2トラック同時進行』構想は朝鮮半島の非核化実現と和平メカニズム確立を結び付けています。和平メカニズム確立は根本的な解決を図る方法です。朝鮮が核・ミサイル実験を進めようとするのは、安心感の欠如が根本的な理由です。もし一つのメカニズムが自らの安全と平和を保障してくれるなら、朝鮮半島の非核化プロセスの障害はよほど小さくなるでしょう」

現在、南北双方は冬季五輪を機に緊張緩和を実現しており、南北の指導者には相互訪問の見込みがある。「ダブル・フリーズ」の状態がついに現われ、核問題は「応急処置」の第一歩を踏み出した。これは中国が一貫して懸命に推し進めてきた方向と一致している。トランプ大統領も9日、習近平国家主席と電話会談した際、米朝が対話すべきだとの主張を中国側が堅持していたのは正しかったと表明した。中国側の打ち出した構想は実行可能だったと事実が証明している。

「米国などの西側国家は朝鮮に一貫して高圧的な制裁措置を取ってきましたが、決してそれらの国が予想したような効果的なものではありませんでした。現在、逆に中国の主張していた『2トラック同時進行』構想と『ダブル・フリーズ』の提案が第一歩を踏み出しました。米朝が根本的な解決において実質的な歩みを始めるよう中国側は希望しています」と、曲委員が考えている。

 

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