世界的に権威ある医学誌『ランセット』は5月22日、中国工程院の陳薇院士と江蘇省疾病予防管理センターの朱鳳才教授の率いるチームが研究開発した新型コロナウイルスのワクチンの人体への臨床試験データをサイトに掲載した。研究結果によると、第1陣の臨床試験ボランティア108人全員に明らかな免疫反応が起こった。これは世界初の新型コロナウイルスワクチンの人体への臨床試験データである。
近日、「両会」(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議)に参加した第13期全国政協委員で中国疾病予防管理センターの高福主任は取材に応じた際、次のように述べた。良いワクチンは「安全かつ有効で、質がコントロールできる」という三つの条件を満たさなければならないので、1年半から2年という長期間の研究開発が必要だ。「現在、(中国の)ワクチンの安全性は確認できている」。新型コロナという新しい感染症をいち早く効果的に予防するために、「年末までに(医療従事者などの)特殊グループを対象に(中国の)ワクチンを使用する見込みがある」と高氏は見ている。
また、高氏は、新型コロナウイルスの感染源の調査には科学者の専門的な研究が必要で、中国側はこれについて世界保健機関(WHO)の枠組みの下で世界各国と協力するつもりだと強調した。(沈暁寧=文 王衆一=写真)

「両会」で全国政協委員の韓方明氏と意見を交わす高福氏(左)
人民中国インターネット版 2020年5月27日