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<全人代>24日午後の外交部長会見 CRI日本語が文字中継

 

522日に北京で開幕した第13期全国人民代表大会第3回会議の関連日程として、24日午後3時から人民大会堂で、王毅国務委員兼外交部長が「中国の外交政策と対外関係」を巡り、国内外の記者からの質問に答えました。

<外交部長会見>ウイルスとの闘いについて

王外交部長は会見の冒頭で、「ウイルスには人類を倒すことはできず、人類は必ずウイルスに打ち勝てる。最も暗い時はいずれ過ぎ去る。光は見え始めている」と述べました。

また、感染症との闘いから得た教えについて、「最大の教えは、各国人民の命と健康がかつて無いほど持ちつ持たれつの緊密な関係になり、われわれもかつて無いほどに、各国が一つの地球村(グローバルヴィレッジ)に暮らし、人類が運命共同体であるのだと強く意識したことである」と示しました。

さらに、「ウイルスは国や人種を問わず、全人類に挑むものである。政治化すればウイルスに付け入る隙を与え、我田引水すればウイルスに各個撃破され、科学を無視すればウイルスに虚をつかれてしまうだけだ。ウイルスは命を代価に、各国は地域人種歴史文化、ひいては社会制度の違いを乗り越え、手を携えて人類運命共同体を構築し、人類が唯一生きられるこの星を共に守るべきだとわれわれを戒めた」と述べました。

 

<外交部長会見>中米関係について

王外交部長は、「新型コロナウイルスのほかに、一種の『政治的ウイルス』も米国で拡散している。この政治的ウイルスとは、あらゆるチャンスを利用しては中国を誹謗中傷することである。中米の社会制度は違うが、これは両国民が自ら選んだものであり、互いに尊重すべきだ。中米間には確かに複数の食い違いがあるが、それは協力の余地がないことを意味してはいない」と述べた上で、「中国は米国を変えようとするつもりもなければ、米国に取って代わるつもりもない。米国は自分勝手に中国を変えることもできず、14億の中国人民が現代化へ進む歴史的なプロセスを阻止することもできない」と示しました。

また、「米国の一部政治勢力は中米関係を人質に取り、中米関係をいわゆる『新冷戦』に向かわせようとしている。このような危険なやり方は歴史に逆行するものだ。われわれは中国の主権および領土保全、自らの正当な発展の権利、中国人民が苦難を乗り越えて収めた地位と尊厳を守らなければならない」として、「中米双方は異なった社会制度、文化的背景の国がこの地球で平和的に共存し、互恵・ウインウインの付き合いができる道を見出すべきである」としました。

さらに、「一部の政治屋は最も基本的な事実を無視し、中国に対して数多くのデマを流し、複数の陰謀を企てた。デマの記録が多ければ多いほど、それを作った人のモラルをさらに低下させ、歴史にさらなる汚点を残すことになる。中米は協力すれば共に利益を得られ、対抗すれば共に損をする。これは数十年の経験と教訓から得られた最も明らかな教えであり、双方が心に刻むべきことだ」と強調しました。

<外交部長会見>ポストコロナの世界とグローバル化の未来について

王外交部長はグローバル化の未来について、「グローバル化はすでに多くの川が合流した広い海のようになり、再びそれぞれ隔離された湖に戻ることはありえない。グローバル化を拒み、保護主義を復活させる行いは、いずれ行き詰まるに違いない。グローバル化に伴う問題はグローバル化の進展の中で解決するしかない」と述べました。

また、ポストコロナの世界については、「今回の感染症で証明されたように、どんなに強い国でも、自らの力だけでは身を守ることはできない。対岸の火事をただ眺めるような態度は、結局は自身に害を及ぼし、人が落ちた井戸にさらに石を投げ入れるような真似は、やがて自身の名誉を汚してしまうだけだ。唯我独尊といった態度で責任を他人に擦り付けることは、自らが直面する問題の解決に役立たないばかりか、他国の正当な権益を損なってしまう」と述べた上で、「世界は昔に戻れない。中国の前進する歩みも止まらない。コロナ収束後(ポストコロナ)に、必ずや、中国経済はより強靭になり、中国人民はより一致団結し、より毅然と中国の特色ある社会主義の道を歩み、中華民族の偉大な復興へのプロセスは阻むことのできない強い勢いで実現するだろう」と示しました。

さらに、「世界が昔に戻れないのは当然である。歴史は前に進んでいるからだ。人類は度重なる大きな災難と戦いながら発展し、進歩を遂げる」と強調しました。

<外交部長会見>中国による援助の目的

王外交部長は、「コロナ対策のため、中国が外国に提供する支援には、いかなる地政学的な目標や経済利益の計算も無ければ、なんら政治的条件をつけ加えたこともない」と強調しました。

その際、「中華民族は恩返しを重んじる民族だ。われわれには、『投桃報李(桃を贈られれば返礼としてスモモを贈る)』という精神に基づき、各国人民が示してくれた中国人民への友情に応える用意がある。中国もまた手助けを惜しまない国で、友人が窮地に陥っている時に、何もせずに傍観することはなかった」と述べました。

また、「われわれの初志はただ一つ、一人でも多くの無辜の命を救うことだ。われわれの信念も変わることなくただ一つで、一国がウイルスを制御したことが終息ではなく、各国が共にウイルスに打ち勝ってこそ真の勝利になるということだ」と強調しました。

さらに、「中国は救世主ではない。しかし、干ばつの時に降る雨のように、友が苦しむ時には同じ船に乗って助け合う、真摯な仲間でありたい」と述べました。

<外交部長会見>香港情勢について

王外交部長は、「香港のことは中国の内政であり、いかなる外部からの干渉も容認できない。内政不干渉は国際関係の基本原則であり、各国が遵守すべきものだ。国家安全を守ることはいかなる国においても中央政府の権限だ。中央政府が全ての地方行政区域における国家安全に対し最大の責任と最終的な責任を持つことが基本的な国家主権理論と原則であり、世界各国の通例でもある」と述べました。

また、「外部勢力が香港に対し不法に、深く干渉することは国家安全に重大な損害を与える。香港特別行政区における国家安全を守る法律制度と執行メカニズムの樹立と健全化は急務であり、必然的なことである」とした上で、「全人代のこの決定はごく少数の国家の安全を厳しく侵害する行為に対するもので、香港の高度な自治と香港住民の権利と自由、および海外投資家の香港における正当な権益には影響しない。皆さんは香港の未来について、もっと自信を抱くべきであり、心配する必要はない。決定が可決された後で、立法プロセスが始まる。それにより、香港はさらに健全化された法律体系、安定的な社会秩序、良好な法治環境とビジネス環境を得ることになる。それは『一国二制度』の基本方針の維持と、香港の金融貿易海上運輸センターとしての地位を維持することに繋がる」と示しました。

<外交部長会見>新型コロナウイルスの起源について

王外交部長は、ウイルスの起源に関する中国とアメリカの一部の政治屋との食い違いは、真実と嘘の間の距離、科学と偏見の対比であると述べ、歴史は事実と真実によって記されるべきであり、嘘にミスリードされ、汚されるべきではない。われわれは良識と理性をもって、今回の地球規模の新型コロナウイルスに対する記述を客観的で偽りのない形で人類の集団記憶に残すべきだと示しました。

また、中国は国際科学界によるウイルスの起源追跡に関する科学研究協力に開かれた姿勢を取っている。そのプロセスはプロフェッショナルなもので、公正さを持った、建設的なものでなければならないと述べました。

さらに、ウイルスの起源を追跡する上では、いかなる政治的関与も排除し、各国の主権と平等性を尊重し、いかなる『推定有罪』にも反対しなければならない。ウイルスと緊密に関わる全ての国を対象とし、公開性透明性客観性、そして理性を堅持すべきだと述べました。

<外交部長会見>中国ヨーロッパ関係について

王外交部長は、「中国とヨーロッパは制度上のライバルではなく、全方位の戦略的パートナーであるべきだ。その付き合いは一方が勝ち、一方が負けるトーナメントではなく、互いのためになる好循環であるべきだ。この未曾有の危機を前に、中国とヨーロッパはイデオロギーの違いを乗り越え、自己実現の疑念から脱却し、一致団結し、手を携えてウイルスと闘うメッセージを共に発信すべきだ」と述べました。

<外交部長会見>中国への訴訟濫用と責任追及について

王外交部長は、中国に対する各種の『訴訟』は事実の根拠も法的根拠も無く、国際場裏に前例もない、文字通りの『三無産品(生産日時品質合格証明生産者の三つの明記がない製品を指す言葉)』だと訴え、中国が取ってきた感染症対策は世界に公表されている。そのタイムラインは明確で、事実やデータも一目瞭然であり、時間と歴史の検証に耐えられるものだと述べました。

また、被害者に対する『責任追及と賠償請求』を煽り立て、訴訟を濫用する者のために『証拠』を偽造することは、国際法治を踏みにじり、人類の良識に背くことだ。それは事実と相違し、理屈に合わず、法の下で許されざることだと述べました。

さらに、今日の中国はもはや百年前の中国ではなく、今日の世界も百年前の世界ではない。訴訟を濫用することで中国の主権と尊厳を侵害し中国人民の労働の成果をゆすろうとする行いは白昼夢に等しく、恥をかく結果を招くだろうと語りました。

<外交部長会見>中日韓協力について

王外交部長は、「中日韓三国の民衆は助け合い、『山川異城、風月同天』、『道は遠からず、人々は同じ天下にあり』という時代の新たな一章を綴った」と述べました。

また、「中日韓三国が共にウイルスと闘うことは、ウイルスとの闘いに関する国際協力の手本となり、国際社会に自信を与えた」と強調しました。

さらに、「中国は日韓を含む各国との協力を強化し、いち早くウイルスとの闘いに完全に勝利し、東アジアの経済を再び活発にし、地域と世界の発展に東洋の知恵と力をいかし、より多く貢献していきたい」と示しました。

<外交部長会見>中国外交の今後の日程について

王外交部長は、「今回の感染症は各国の往来を『一時停止』させたが、中国外交は立ち止まることなく、勢いに逆らって前進し、『クラウド外交』のモデルをスタートさせた」と述べました。

また、「感染症が発生して以来、習近平主席は自ら元首外交を通して防疫外交を統括し、そのリーダーシップで国際協力を推進してきた。中国外交は、感染症対策が常態化する中で再出発し、五つの任務に焦点を当て、新たなハイライトを作る」と示しました。

<外交部長会見>「戦狼外交」について

王外交部長は、「物事には良し悪しの分別が必要だ。是非を分からない人は信用されず、是非を分からない国は世に立つことができない」と述べました。

また、「中国人は平和を愛し、調和を重んじ、誠意をもって人と接し、信用を根本とする。しかし同時に、中国人は原則と気骨を持っている。意図的な中傷に対し、われわれは必ず力強く反撃し、国家の誇りと民族の尊厳を断固として守る。根拠のない誹謗中傷に対し、われわれは必ず事実と真実を明白にし、公平正義と人類の良識を毅然として擁護する」と強調しました。

さらに、「各国が同じ地球村(グローバルヴィレッジ)に暮らしている以上、平和をもって共存し、平等をもって互いに接するべきだ。そして何かあれば共に相談すべきだ。一つや二つの国だけが物事を決めるべきではない」と示し、「中国はいかに発展しようとも、国際社会で覇権を唱えることはない。中国に覇権主義のレッテルを貼ろうとする者こそが、その覇権主義にしがみついている」と指摘しました。

その上で世界各国に対し、「人類運命共同体の理念をもって、非難し合うのではなく支持し合い、対抗するよりも協力をして、真に手を携え、世界のより良い未来を共に切り開いてほしい」と呼びかけました。

<外交部長会見>WHOの役割について

王外交部長は、「正義は人々の心にある。WHO(世界保健機関)の国際的地位と歴史的評価は、一部の国の好き嫌いによって変わることはない。WHOの名誉を傷つけることを企てようとも、自身の名誉を傷つけることにしかならない」と述べました。

また、「事実によって証明された通り、WHOのアドバイスを重視し、それに沿ってウイルス対策を展開する国は状況を効果的にコントロールでき、逆にそれを無視し拒否する国は大きな代償を払うことになる。WHO194の主権国家から構成された国際機関で、特定の国に奉仕するわけがない。ましてや、より多くの資金を出した国の意思に屈すべきではない」と指摘しました。

さらに、「命は最も尊いもので、人を救う事を第一にすべきだ。WHOを支持することは人命救助を支持することだ。これは全ての良識ある国がなすべき選択だ。パンデミックを前に、WHOに対する全ての攻撃、抑圧、そして恐喝は、最小限の人道主義的精神すら欠いた行為であり、国際社会に受け入れられはしない」と強調しました。

<外交部長会見>「一帯一路」協力について

王外交部長は、「新型コロナウイルスによる『一帯一路』協力への影響は一時的で局地的なものだ。ウイルスの試練を経て、『一帯一路』の共同構築の基盤はより堅固なものになり、原動力はさらに満ち、見通しはより明るくなる」と述べました。

また、「『一帯一路』の基盤は各国人民に確実な利益がもたらされることであり、その原動力は共に発展していこうという各国の断固たる決意であり、その見通しは新たな協力分野を絶えず切り開いていくことにある」と示しました。

さらに、「中国の、世界各国と手を携えて『一帯一路』を推進する決意は揺るぎないものだ。われわれは引き続き共に話し合い共に建設し共に分かち合う原則と、開放エコ清廉の理念、および高水準、国民生活の重視、持続可能な開発目標を堅持し、『一帯一路』を発展の道、協力の道、健康の道へと建設していきたい」との期待を寄せました。

<外交部長会見>朝鮮半島情勢について

王外交部長は、朝鮮半島問題を真に解決するには、座して論理を語ることも必要であるが、立ち上がって行動を起こすことも重要だと述べました。

また、朝鮮半島核問題解決のアプローチはすでに明確になった。問題解決の貴重なチャンスを再び逃すべきではないと述べました。

<外交部長会見>台湾問題について

王外交部長は、「台湾の民衆はわれわれの肉親同胞であり、われわれは台湾島におけるコロナウイルス感染症の状況に関心を寄せ、台湾同胞の健康と安全を気にかけている」と述べました。

また、「台湾当局は国民生活の福祉を顧みず、大陸と台湾が一つの中国に属すると示す『1992年コンセンサス』を承認せず、海峡両岸が渉外事項を協議処理する扉を自ら閉ざした」とした上で、「海峡両岸の統一は歴史の必然的な流れであり、いかなる者や勢力にも阻まれることはない」と示しました。

さらに、「米国側に対しては、台湾問題の高度な敏感性を十分に理解し、現実性のない幻想を捨て、国内政治の計算を諦めるよう促すとともに、中国のボトムラインに抵触することのないよう忠告する」と示しました。

<外交部長会見>南海情勢と南海行動規範(COC)交渉について

王外交部長は、中国が新型コロナウイルスを利用し、南海におけるプレゼンスを拡大しようとしているとの表現は荒唐無稽だと述べました。

また、支援物資を満載した船や航空機が南海を頻繁に往来し、南海はまさに中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国が手を携えてウイルスと闘う協力の海、助け合いの海となっていると示した上で、「一部の域外国が南海へ軍用機や軍艦を派遣して武力を誇示し、苦心惨憺して南海の得がたい安定した局面を破壊しようとしている。このような良からぬ企みは蔑視に値する行動だ」と非難しました。

さらに、「中国とASEAN諸国はすでに南海行動規範(COC)の早期策定について明確な共通認識に達成した。この目標を実現させるわれわれの決意と決心は断固たるもので、外部からのいかなる干渉にも揺さぶられることはない」と強調しました。

 (CRI日本語より)

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