高原明生 東京大学公共政策大学院院長

 

日中関係を研究するとき、二つの面でバランスを取る必要がある。まず、多角的に日中関係を考えることである。ある分野だけに注目するのではなく、あらゆる角度から見ないと、正しい判断を下せない。次に、相手を知るとともに、自分を知ることである。現在、相手を知ることがいかに重要であるかが多くの人々に理解されているが、相手国の研究に長けていても、自国の状況をおろそかにする人がほとんどだ。これについて、両国の専門家は価値ある協力ができるだろう。

両国間に時折摩擦が起こるのは避けられないが、摩擦が起こった後は、自制的な態度を取るべきである。日中平和友好条約は平和的手段であらゆる争いを解決すると明言している。平和的手段とは交渉、ルール、法整備である。これは日中両国の共同目標によって支えられている。両国が共通認識に達し、共通の願いを有したら、これに向かって共に取り組める。友好関係について、きれい事を言うだけでは足りず、私たちは日中両国の共通の願いに基づいた秩序の構築に取り組むべきである。(高原明生 東京大学公共政策大学院院長

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