呉懐中 中国社会科学院日本研究所政治室主任

 

近年、中国と日本は歴史上初めて「新常態(ニューノーマル)」に入った。両国関係は必ず安定し、調和の取れた状態に達するが、その前に「複雑な調整過渡期」、すなわち新常態がある。この段階の特徴とは「和して同ぜず、戦っても破局せず、相互利益、頻繁な交流」である。中日の国力の変化や主観的願望の調整による「コンセンサスと戦略基盤の再建」および「安定構造の誕生」は新常態の次の段階である。これに達する前に、新常態の複雑で込み入った動的平衡状態は長きにわたって続くかもしれない。このような二国間関係の枠組みの下で、中日関係の友好かつ健全な発展は容易ではなく、さまざまな面倒や摩擦が少なくないが、正面衝突や全面的な破局は起こりにくい。従って、両国はコンセンサスを形成し、共同の取り組みによって、平和と安定の局面を実現できる。このため、中日は戦略互恵関係を推進し、「政治の相互信頼」「安全保障」のウイークポイントを補うとともに、新常態に基づき、地域の安定と繁栄を共に求める東アジア新型大国関係の構築を試みるべきである。(呉懐中 中国社会科学院日本研究所政治室主任)

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