第15回「北京—東京フォーラム」が『北京コンセンサス』発表

 

 

北京コンセンサス』を発表する中国外文局副局長高岸明氏 

 

   

1027日午前、第15回「北京—東京フォーラム」が円満に閉幕した。中日両国の各分野の賓客と代表らが1日半にわたり、率直かつ誠意ある建設的な対話を行った。今回のフォーラムは、重要な成果の1つとして『北京コンセンサス』を発表した。閉幕式で、中国外文局の高岸明副局長は『北京コンセンサス』を読み上げた。

その『北京コンセンサス』によると――中日関係は新たな発展のチャンスを迎えている。現在、世界各国の戦略的なパワーバランスはより均衡し、経済のグローバル化は調整の中でさらに進展し、国際秩序には全面的かつ大きな変革が起こっている。中日両国は同じ世界の重要国として、共に世界、特にアジア太平洋地域の安定、発展と繁栄のために責任を有している。

こうした考えのもとで、双方は以下の合意に達した。

1.現在の世界は百年に一度の大変動を迎え、チャンスと課題が共存している。中日両国は世界の主要経済国として、保護貿易主義に反対する立場を共有し、より開放的でルールに基づく自由貿易体制の構築を手を携えて推し進めていくべきだ。そのために、各国は体制の内容を刷新し、それに見合った構造改革を進めなくてはならない。多国間主義に基づく国際協力の推進こそが、私たちが目指すグローバルガバナンスのあり方である。

2.中日両国はアジアの重要な国として、地域の経済統合をけん引し、各国の協力発展を促進する責任がある。そのためにも東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉の早期妥結を目指すと同時に、その上で中日韓自由貿易協定(FTA)の交渉を早めなければならない。第三国市場協力が着実に進展できるよう共に推し進め、質の高いインフラ整備を協力して実現すべきである。双方は両国の貿易投資の拡大のために、進出企業に公平で差別がなく、ルールに基づいた予見可能なビジネス環境を提供しなければならない。

3.中日両国がアジア太平洋地域の平和と繁栄に責任を持って取り組む。中日両国は、既に東中国海における海空連絡メカニズムの運用を開始し、防衛交流も再開された。この地域の危機を未然に管理するためには、さらにこれを進化させ、危機やリスクを取り除くためのさまざまな対策を検討すべきである。

4.中日両国は、これまでにも増して両国民間の幅広い相互理解と交流が不可欠である。青少年やメディアなどの幅広い人的交流を思い切って進めるべきである。両国民の相互理解を深めるためには、アジアや世界の未来に対する幅広い協力や対話も進めるべきである。

また双方は以下の点でも合意した。来年、習近平国家主席が日本側の招請を受け日本を公式訪問することは、両国関係の発展に大きな意義を持ち、深い影響がある。双方は共に努力し、この訪問が成功裏に実現するための世論や民意の環境を整え、新たな時代の要請に応える中日協力関係を構築するために、さらなる貢献をしていくべきである。

この非常に建設的なコンセンサスは、今回の「北京―東京フォーラム」の大きな成果であるとともに、未来の中日関係に対するこの上ない期待の表れでもある。

 

人民中国インターネット版

 

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