第15回「北京-東京フォーラム」 特別分科会

ハイテクイノベーションとデジタル経済分野で協力を

 特別分科会の討論の中で、両国のパネリストたちは自由なデータ流通、データの安全性、人工知能の発展、および中日両国はこうした分野においてどのような協力ができるかなどを巡り、活発な議論を交わした。

 科学技術日報社の房漢廷副社長はまず、近年の中国におけるデジタル経済の発展の成果について、「1994年に中国でインターネットを利用していた人は100人にも満たなかったが、2018年にはデジタル経済の規模はGDP全体の30%を占めるようになった」と説明した。また房副社長は、中日両国は今後、デジタル経済において下記二つの点で協力できると考えている。一つは、中国は人工知能などといった基盤となる技術分野で高い技術力を持っており、日本と相互補完的な研究開発協力ができるということ。もう一つは、日本は研究開発において十分な技術力と再開発能力を持っており、中国はビジネスモデルで大きな成功を収めている。中日産業界が手を携えて技術革新を進め、互いの強みを発揮することには大きな潜在力があること。

 衆議院議員で元金融担当大臣の伊藤達也氏は、「日中のデジタル経済協力には、自由なデータ流通や、クリエイティブで革新的な国際的イベントを促進していくことが重要である」と強調した。

 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構北京事務所の大川龍郎所長はこれに賛同した。大川所長は、中国と日本のデータの自由流通に対する認識はおそらく違うだろうと考えている。「中国は今後も発展し続け、中国企業は積極的に国際市場を開拓していくだろう。その際、データの利用において、双方とも順守する一定のルールが必要不可欠だ。日本でも、欧州でも米国でも、きちんとルールを作って信頼できる関係を築く必要がある」

人工知能の発展において、阿里巴巴(アリババ)集団の劉松副総裁とアイフライテック(科大訊飛)の吉林副総裁は、それぞれの会社が人工知能において東京オリンピックに協力して行ったプロジェクトについて紹介した。劉松副総裁によると、阿里巴巴はオリンピックの最高位スポンサー(TOP)として、電子商取引(EC)とクラウドサービスにおいて、すでに東京オリンピック組織委員会と協力を始めたという。来年の東京オリンピックは中日両国にとって初めての技術協力となる。2年後の北京冬季五輪まで協力を続け、その際使われるのは、8K+VR+インテリジェント編集+クラウドのインタラクティブかもしれないと期待を込めた。

 

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