第17回「北京―東京フォーラム」開幕

中国国務院新聞弁公室と日本の外務省が後援し、中国外文局と日本の言論NPOが共同主催する第17回「北京―東京フォーラム」が1025日に開幕した。同フォーラムは、オフラインとオンラインを組み合わせた形式により、北京と東京で同時に行われた。

今回のフォーラムは「不安定化する世界での中日関係と国際協調の修復―国交正常化50周年に向けて―」をテーマとし、中日両国の政界、経済界、実業界、学術界、メディア界などの分野から100人余りのゲストを集め、政治的相互信頼の増進、経済貿易協力の深化、安全保障の強化、メディアの責任の明確化、デジタル経済とイノベーション国際協力の発展といった重要議題について討論を展開し、踏み込んだ交流を行い、共通認識を集めた。

開幕式で、王毅国務委員兼外交部長はビデオを通じたあいさつで次のように指摘した。近頃、両国の指導者の積極的な相互交流は、中日関係に新たな局面を切り開き、両国関係の次の発展のための全体の方向を明確にした。来年は中日国交正常化50周年であり、その記念において最も重要なことは、国交正常化の初心を思い出し、中日の四つの政治文書の精神を守り、中日友好協力の使命を受け継いでいくことであり、より冷静に、徹底して、両国関係発展の正しい方向をつかみ、そして、より揺るぎなく、力強く、次の50年の発展のビジョンを切り開いていくことである。

 

フォーラムの開幕式で、ビデオを通じてあいさつする王毅国務委員兼外交部長

これについて、王毅外交部長は五つの努力の方向を提起した。一つ目は、相互信頼を回復し、両国関係の政治的基礎を固めること。二つ目は、協力をグレードアップさせ、両国のよりレベルの高い互恵を実現すること。三つ目は、食い違いをコントロールし、両国関係の安定した発展のために負担を減らし、障害を取り除くこと。四つ目は、交流を拡大し、両国関係の社会的環境を改善すること。五つ目は、協力を強化し、両国関係にさらに広い視野をもたらすこと。

 

フォーラムの開幕式で基調講演を行う徐麟中国共産党中央宣伝部副部長、国務院新聞弁公室主任

徐麟中国共産党中央宣伝部副部長、国務院新聞弁公室主任は基調講演で次のように指摘した。近頃、習近平国家主席が岸田文雄首相と電話会談を行い、双方は、新時代の要求に合致する中日関係の構築を推進することについて重要なコンセンサスを得て、両国関係の発展に戦略的な導きを提供した。私たちは、より広い視野とより立体的な次元で中日関係を見て、発展の方向をつかみ、歴史の深さの次元を強化し、歴史というかがみの啓発を銘記すべきである。時代の潮流という次元を強化し、互恵協力のコンセンサスを集めるべきである。責任を持って行動するという次元を強化し、共に発展を促す原動力を結集すべきである。双方は対話と交流を強化し、相互信頼と協力を深化し、効果的に食い違いをコントロールし、密接な人的文化交流を行い、両国関係が正しい軌道に沿って健全かつ安定的に発展するように推進していかなければならない。

 

開幕式で基調講演を行う福田康夫元首相

福田康夫元首相は基調講演でこう語った。国際情勢に大きな変化が起きている中で、日中両国は次の三つのことを早急に実現する必要がある。第一は、政治、文化、経済、および国民同士の対話と交流を再開し、強化すること。第二は、人類が直面する共通の課題に対し、できるだけ多くの共通認識を持つこと。これは習近平国家主席が提唱する人類運命共同体の中身をつくり上げることになる。第三に、互いの誤解を解き、それを避ける行動を取り、政府ひいては国民同士の信頼を醸成すること。

茂木敏充外務大臣は外務省官僚が代読するあいさつの中で次のような考えを示した。国際社会は大きな変革期にあり、日中関係を取り巻く環境も大きく変化している。先日、日中首脳は、両国が直面する共通の課題を協力して解決し、両国間の経済国民交流を後押しすることなどについて重要なコンセンサスを得た。来年は日中国交正常化50周年を迎える。先人たちが努力してつくり上げた基礎の上で、新たな時代にふさわしい日中関係の構築に向け、両国関係を建設的かつ安定的に発展させるために共に努力していかなければならない。

 

中国側の主催者を代表してあいさつする中国外文局の杜占元局長

中国外文局の杜占元局長は中国側の主催者を代表して次のようにあいさつした。「北京―東京フォーラム」はレベルが高く規模が大きな中日間の交流の場として、中日関係の改善と発展を推し進める中で重要な役割を果たしてきた。「不安定化する世界での中日関係と国際協調の修復」をテーマとする今回のフォーラムでは、両国指導者の重要なコンセンサスの実施、初心と使命の堅守、中日関係の安定的発展に向けた民意の基礎の強化を模索し、新時代の要求に合った中日関係の構築と不安定化する中での国際協力の修復を推し進めるために知恵を貢献することを目的としている。

 

日本側の主催者を代表してあいさつする元国連事務次長の明石康氏

元国連事務次長の明石康氏は日本側の主催者を代表して次のようにあいさつした。日中両国は互いに引っ越しすることもできない隣人同士だ。両国間の問題についても、またアジア太平洋地域全体における幅広い多国間の問題についても、胸襟を開いた交流と相互理解が欠かせない。両国の有識者は本フォーラムで、日中関係を含む国際情勢の安定的発展を推し進めるために互いに耳を傾け、十分な意見交換を行ってほしい。

 

中国側の司会を担当する中国外文局の高岸明副局長

本フォーラムは2日間行われ、政治外交、経済、安全保障、メディア、デジタル、国際協調の六つの分科会を開く。

 

17回「北京―東京フォーラム」に出席する中日の有識者たち

「北京―東京フォーラム」は2005年に発足して以降、毎年1回、東京と北京とで交互に開催され、今年で17回目を迎える。フォーラムはレベルが高く規模が大きな両国間の官民による総合的な交流の場となり、中日関係の健全で安定した発展を促進し、両国民の相互理解や信頼の醸成などで重要な役割を果たしている。(写真=馬耕平、王朝陽)

人民中国インターネット版 20211026

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