袁隆平氏:中国に食糧危機の心配ない、自給自足能力ある

 

新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの国と地域が食糧安全を考慮し、自国の食糧輸出規制を開始し、世界で食糧危機が不安視されている。記者は海南省三亜市の南繁基地で科学研究を行う「ハイブリッド稲の父」こと袁隆平氏に、これについての見解を尋ねた。

新型コロナウイルス感染症が食糧安全問題をもたらす可能性について、袁隆平氏は、中国は食糧生産の自給自足を実現する能力を有し、食糧危機になることはないため、心配する必要はないと述べた。

海南省は日照条件が良く適度な気候であるため、毎年12月から翌年4月まで、袁隆平氏のチームは三亜市の南繁基地で科学研究を行なっている。今年は自分の仕事が忙しく、袁隆平氏も新型コロナウイルスの流行状況に関心があった。2月、袁隆平氏は湖南省赤十字会を通し、個人名義で湖北省に10万元を寄付し、第一線で感染症と戦う全ての人を勇気づける動画を作成した。

袁隆平氏は中国と世界の食糧の安全のために忙しくしている。袁隆平氏のチームは今年、選抜育種したスーパーハイブリッド稲品種「超優千号」1000万ムーを全国展開し、1ムーあたり100キログラムの増産を見込んでいる。323日に開かれた「三一プロジェクト」(三分地で1人を養う)二期作稲高産課題モデル2020年度作業会議は、湖南省13県(市、区)の課題基地で第3世代ハイブリッド稲「托底」の二期作高産課題モデルプロジェクトを実施し、2期の総生産量1ヘクタールあたり18トンを目指すことを決めた。

昨年12月の初めて公開測量を行い、試験田の1ムーあたり生産量が1046.3キログラムに達した第3世代ハイブリッド稲は、南繁基地でまもなく今年の生産任務を終え、410日種子を収穫する予定。そのほか、袁隆平氏が手がける耐アルカリ稲(海水稲)の改良試験面積は2019年に1万ムーに拡大し、試験田が東北、渤海湾、新疆、南東沿岸部などの各種アルカリ地に設置された。

袁隆平氏は、「中国は食糧の自給自足を実現する能力を有するが、食糧の安全確保において少しも気を緩めてはいけない。今回の世界的な感染症蔓延は1つの警鐘になった」と強調した。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 202048

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